と、その視線の先に長い髪の女生徒が通りすがった。

 は、として陽介は足を踏み出しかけるが、振り向いた女生徒は名前もしらない別の学年の女子だとわかって足を止めた。

「本当に、好きなんだな」

 諒がしみじみと言った。


 最初は、ただ藍と星の話ができるのが嬉しかった。自分と同じように星に興味があるから、藍に会いたいんだと思っていた。

 けれど、それもすべてひっくるめて藍を好きだと自覚してしまった今は、何よりも藍に会えないのがつらい。

 藍の声が、聞きたい。

 陽介はまた諒と肩を並べると、駅に向かって歩き出した。