「皐月、バスケ部いいのか?」

「あ、いけない、もうこんな時間! 今日は後輩ちゃんたちとお土産の話する約束してたんだ。ごめん、陽介。話の途中だけど、私行かなきゃ。また明日! 寝坊しないでね!」

 カバンを持ってあわてて教室を出ようとした皐月は、途中で振り返った。


「何かあったら言ってね? 友達でしょ?」

「ああ。ありがと」

「あと……暖かくなったら、私にも星を見せてね」

「あー……わかったよ」

 藍と一緒に星を見ていることがばれてしまったので、さすがにそこでだめとは言いにくい。


 陽介の答えに皐月は淡く笑むと、手を振って足早に体育館に向かっていった。

「お前さあ」

 皐月を見送った諒が、陽介に向き直った。

「もしかして……藍ちゃんと、何かあった?」