「それより、最近の陽介、ずっとぼんやりしてる。ちゃんと寝てる?」

「ん……まあ、そこそこ」

 言っているはじから陽介はあくびをかみ殺す。陽介の机に腰掛けて、諒も缶コーヒーを開けた。

「夜遊びのしすぎだろ」

「言い方」

 からかう諒に、陽介は苦笑を浮かべた。

 陽介の夜遊びが星を見に行くことだと、諒も皐月も理解している。


「この寒いのに? ……もしかして風邪でもひいたんじゃないの?」

 一番気になる、一人で行ったの、という質問を、皐月は飲み込んだ。

「いや? 元気だよ」

「明日はもう修学旅行なんだから、今日は早く寝るのよ。体調崩していけなくなったなんて、泣くに泣けないわよ」

 心配そうに言った皐月に、後ろ暗い理由を持っている陽介はあわてる。


「本当、体は大丈夫。調子悪いのは……なんというか俺の気持ちだけの問題で……」

「気持ち?」

「や、あの、その」

 陽介が言いあぐねていると、諒が口をはさんだ。