紡へ

まず、何も言わなかったこと、本当にごめん。
小さいころから治らない病気を抱えて生きてきました。
ついでにこの手紙を読んでるってことは、僕が死んだってことだから、ちゃんと理解してね。

紡と最期にあった日、なんで帰ったんだろうってすごく後悔してる。
本当にごめん。

長々と手紙を書くのは得意じゃないから、本当に伝えたいことだけ書こうと思う。

僕は紡の小説も、紡という人間も、本当に好きだ。
だから、小説を書き続けてほしい。
紡が紡のためだけに書いた小説は、本当にすごいものになると思うから。

だから、書いて。

それから、自分のことをもっと言っていいんだ。

紡は我慢しすぎ。
まぁ、中学の同級生との会話を聞く限り、そうなるのも仕方ないと思うんだけどさ。

いいんだよ、もっと紡でいて。

僕はどんな紡でも大好きだから。


あとの伝えたいことは『醜い透明な藍に溺れる』に全部詰め込んだつもり。

手紙なんてそうそう書かないから、文章変でごめん。

全部、ごめん。
沢山ありがとう。

いつか、また。
次逢えるときまでき、紡を紡って呼べるようになるよ

晴樹 棗