「噓でしょ......。」

私の手には大量の紙、紙、紙。

これは全部、明日の資料。今年は生徒会が忙しかったらしく、資料をまとめられなかったため、議長がクラスメート全員分を冊子にすることになった。

あらためて、生徒会はすごいなと思う。全校生徒分の資料をまとめていたんだから。

あまりの重さに落としそうになる資料を抱えて二年生棟への階段を上る。

階段のほうから誰かの声が聞こえた。

「資料まとめとかだるいんだけど!大会近いから部活行きたいんだが!」

「まじそれな!生徒会の仕事なんだから自分たちでやってくれって感じ」

「来週大会ある部活のこと考えてほしいわー」

多分、あの人たちはなんとなく議長をやったんだろう。

なんとなく議長をして、なんとなく成績を上げようと思ったんだろう。

議長の仕事は『なんとなく』では務まらないと、1年の時に実感した。

やるからには、完璧にやらなくちゃいけない。

完璧に。