頼まれても断れない性格って、厄介だと思う。

こんな風に勝手に物事が進んでもイエスとしか言えない。

「それじゃあ、議長は片桐(かたぎり)さんで決まりね。片桐さん、ここからの司会進行お願いしてもいい?」

「はい、頑張ります。」

席を立って、教卓のほうに行く。

やりたくもない議長をやることになったきっかけは、周りからの推薦だった。

去年も議長をしていたから。そんな理由で、議長に推薦された。

去年だって、やりたくてやってたわけじゃない。

担任の先生に半強制的に議長を任されただけだ。

嫌です、なんて言えないし、任されたからには最後まで完璧にやらないといけなかった。

だから、全部をひとりでこなした。

部活に行くはずだった時間も、全部費やして。

全員にとって一番良いものになるようにひたすら考えた。

文句を言われても、考え続けた。

結果的にそれが信頼につながったから、別にいいけど。