今日も、いつもと一緒。
「あれ?黒板消しクリーナー、電源つかない」
「映優、コンセント、入ってない。」
「え?あ、本当だ。」
抜けてるよねーと笑いながら掃き掃除をする班長の鈴奈。
コンセントをさして黒板消しクリーナ―の電源を入れると、チョークの粉が舞い上がる。
すこしせき込む。
「え、映優、大丈夫?」
「ごめんごめん、平気だよ、チョークの粉でむせちゃっただけだから。」
いつからクリーナー清掃してしてないんだろう。
すごい粉の量だった、おかげで制服が少し白くなった。
パタパタと粉を鈴奈が落としてくれる。
「ご、ごめん鈴奈、大丈夫だよ、掃き掃除戻っても。」
「もー気を付けてね。」
ほうきを手に取って掃き掃除を再開する鈴奈。
そういえば、黒板消しクリーナー清掃の担当、鈴奈だった気がする。
......。忘れてるだろうし、近々やっておこう。
黒板けしにティッシュペーパーを巻き付けて黒板を消す。
こうすると、普通に消すよりきれいに消えるんだ。
ここで問題発生。
身長が小さすぎて、黒板の上までとどかない。
つま先で立ってどうにか届くかとどかないか。
ぷるぷるしながら黒板を消していると、むこう側から聞こえる男子の声。
「ちーび」
「んな!ちびじゃないし!去年から身長一センチ伸びたし!」
「それでもちびはちびなんだよ。」
身長を馬鹿にしてきたのは机を直していた佐藤君。
「ちーびちーび」と繰り返し言ってくる佐藤君。
「佐藤君うるさーい!」
「だってさ、神楽、いじりがいあって楽しいんだよ。」
「私は佐藤君のおもちゃじゃない!」
「映優ー、佐藤ー、ごみ捨てじゃんけんするよー?」
今行く、と返事をして鈴奈のほうへ行く。
「最初はぐー、じゃんけんぽんっ!」
みんなパ―、私は一人だけチョキ。
珍しく一人勝ち。気まずいなぁ。
みんなのじゃんけんをボケーっと見ているといつの間にか終わっていた。