眉輪が穴穂大王を暗殺し葛城円の元にやってきてから2日が経過した。今は丁度夕方から夜に差しかかろうとしている。
葛城円の住居にいる者達は、これから一体自分達はどうなってしまうのだろうかと、皆不安の色を隠せないでいる。
それは葛城円の娘の韓媛も同様だった。今眉輪は父親の円しか会えないようになってる。そのため幼い眉輪が今どのような心境にいるのか、彼女にも全く分からない。
「大王を殺したとなると、いくら眉輪様がまだ子供といっても、そう簡単に許されるものではないわ」
韓媛は眉輪が葛城にきてから自身の短剣に祈ってみた。だがどういう訳だか今回は全く何も起こらなかった。
(あの剣でも駄目となると、一体どうすれば良いの)
彼女もその被害がここ葛城にまで及ばないかと不安で仕方ない。とりあえず今は大和と父親の対応に任せるほかないであろう。
韓媛がふとそんなふうに思ってる時だ。
誰かが急に彼女の部屋にやってきた。そしてよほど慌てていたのか、外から声もかけずに部屋の中まで入ってくる。
彼女が驚いて相手を見ると、それは父親の葛城円だった。
「お、お父様?」
葛城円は少し息を荒くしており、落ち着きがないように見える。こんな状態の彼はとても珍しい。
「韓媛、大変なことになってしまった。眉輪様が大王を殺したことで、今大和より兵がこちらに向かっているようだ」
「ま、まさか! お父様それは本当なのですか」
韓媛はそれを聞いてとても信じられないと思った。まさか大和から兵が送られるとは彼女も全く予想してなかった。
「そして今回その指示を出したのが大泊瀬皇子らしい。穴穂大王が殺されたことで彼はかなり激怒しているようだ。
しかもその件で皇子は2人の兄と討論になり、その後2人の兄を殺してしまわれた」
それを聞いた韓媛は余りのことに恐ろしくなり、その場に座り込んでしまった。
そして彼女はぶるぶると体を震わせる。
(そんな、あの大泊瀬皇子が……)
「まぁ、2人の兄が先に大泊瀬皇子に剣を向けたそうだが」
つまり大泊瀬皇子は自身の身を守るため、2人の兄を殺してしまったということだ。だがそれでも人を殺してしまうとなると、本当に恐ろしくなる。
「大泊瀬皇子はここ葛城を攻撃するつもりなのですか?」
大泊瀬皇子がここに兵を向かわせているとなると、当然攻撃する意思もあるということだ。
「いや、それはまだ分からない。とりあえず兵がここにきたら、私が大泊瀬皇子と話しをさせてもらえるよう願い出るつもりだ」
だが大泊瀬皇子がかなり激怒しているとなると、彼がどう出てくるか全く予想ができない。
「とりあえず、お前は一旦この住居から離れなさい。そして他の葛城の元に逃げるんだ」
「そ、そんな。お父様をおいて逃げるなんて私は嫌です!!」
韓媛は涙目になりながら父親にそういう。自身は葛城の姫だ、こんな状況で自分だけ逃げるなんてことはしたくなかった。
それに父親にもしものことがあったらと不安で仕方ない。
「韓媛、もう近くまで兵がきているかもしれない。とにかく私のいうことを聞かないか!」
葛城円の住居にいる者達は、これから一体自分達はどうなってしまうのだろうかと、皆不安の色を隠せないでいる。
それは葛城円の娘の韓媛も同様だった。今眉輪は父親の円しか会えないようになってる。そのため幼い眉輪が今どのような心境にいるのか、彼女にも全く分からない。
「大王を殺したとなると、いくら眉輪様がまだ子供といっても、そう簡単に許されるものではないわ」
韓媛は眉輪が葛城にきてから自身の短剣に祈ってみた。だがどういう訳だか今回は全く何も起こらなかった。
(あの剣でも駄目となると、一体どうすれば良いの)
彼女もその被害がここ葛城にまで及ばないかと不安で仕方ない。とりあえず今は大和と父親の対応に任せるほかないであろう。
韓媛がふとそんなふうに思ってる時だ。
誰かが急に彼女の部屋にやってきた。そしてよほど慌てていたのか、外から声もかけずに部屋の中まで入ってくる。
彼女が驚いて相手を見ると、それは父親の葛城円だった。
「お、お父様?」
葛城円は少し息を荒くしており、落ち着きがないように見える。こんな状態の彼はとても珍しい。
「韓媛、大変なことになってしまった。眉輪様が大王を殺したことで、今大和より兵がこちらに向かっているようだ」
「ま、まさか! お父様それは本当なのですか」
韓媛はそれを聞いてとても信じられないと思った。まさか大和から兵が送られるとは彼女も全く予想してなかった。
「そして今回その指示を出したのが大泊瀬皇子らしい。穴穂大王が殺されたことで彼はかなり激怒しているようだ。
しかもその件で皇子は2人の兄と討論になり、その後2人の兄を殺してしまわれた」
それを聞いた韓媛は余りのことに恐ろしくなり、その場に座り込んでしまった。
そして彼女はぶるぶると体を震わせる。
(そんな、あの大泊瀬皇子が……)
「まぁ、2人の兄が先に大泊瀬皇子に剣を向けたそうだが」
つまり大泊瀬皇子は自身の身を守るため、2人の兄を殺してしまったということだ。だがそれでも人を殺してしまうとなると、本当に恐ろしくなる。
「大泊瀬皇子はここ葛城を攻撃するつもりなのですか?」
大泊瀬皇子がここに兵を向かわせているとなると、当然攻撃する意思もあるということだ。
「いや、それはまだ分からない。とりあえず兵がここにきたら、私が大泊瀬皇子と話しをさせてもらえるよう願い出るつもりだ」
だが大泊瀬皇子がかなり激怒しているとなると、彼がどう出てくるか全く予想ができない。
「とりあえず、お前は一旦この住居から離れなさい。そして他の葛城の元に逃げるんだ」
「そ、そんな。お父様をおいて逃げるなんて私は嫌です!!」
韓媛は涙目になりながら父親にそういう。自身は葛城の姫だ、こんな状況で自分だけ逃げるなんてことはしたくなかった。
それに父親にもしものことがあったらと不安で仕方ない。
「韓媛、もう近くまで兵がきているかもしれない。とにかく私のいうことを聞かないか!」