「本当に、昔はそんな事もあったわ。彼はその後一体どうしているのかしら?自身の父親を手伝っている話しも聞くけど、本人を見てないから何ともいえない」
韓媛は自分の部屋で、ふとそんな幼馴染みの彼の事を思い返していた。
「そういえば、そろそろお父様もお話しが終わった頃かしら。久々に皇子の事を思い出したから、昔彼とよく遊んでいた、宮の裏にある大きな木のふもとに行ってみたくなったわ」
韓媛は急にそう思いたつと、そのまま部屋を出て、近くに宮の使用人達がいないか探した。
そして彼女はその者らを見つけると、自身の行きたい場所を伝える。
またその際には、長時間はいない旨も彼らにきちんと説明した。
そして使用人達から許可をもらった上で、彼女はそこに向かう事にした。
目的の場所は、韓媛の住んでいる宮の裏から歩いて少し行った所にある。
彼女が歩いていると、その場所を涼しい風が吹き抜けていった。
今は丁度、季節も夏から秋に変わる頃合いであろう。
「ここに来るのは本当に久々ね。元々ここは大泊瀬皇子が気に入っていた場所だったわ。皇子が宮に来なくなってからは、余り行く機会もなかったのよね」
そして韓媛の目の前にその木が見えてきた。だがその木の側に誰かが来ているようだ。
「あら、こんな所に人が来てるなんて。一体誰かしら?」
韓媛はその人物が誰なのか気になって、思わずじっと見つめた。
その人物は木を下から見上げていて、どうやらとても若い青年のように見える。
(とても若い青年に見える。服装も立派そうだから、今日お父様の元に来られた方?)
その青年は、後ろから誰か来てるのに気が付いたらしく、ふと韓媛の方に振り返った。
耳の横でみずでまとめ、髪の先は長く下に降ろしていた。背もそれなりに高く体格もしっかりしている。
(容姿もそれなりに整ってるわ。私よりも数歳年上かしら?)
韓媛はいよいよ、その青年の近くまでやって来た。そして何となく彼がとても見覚えのある顔立ちだに思えた。
青年の方が先に韓媛に何か気付いたみたいで、彼女に声をかけた。
「誰かと思ったら、お前韓媛か?かなり久しぶりだな」
彼は口元に軽く笑みを浮かべ、そして少し威圧的な感じで彼女に話しかけた。
そんな彼を見て、韓媛もこの青年が誰なのか気が付いた。
「あ、あなたもしかして、大泊瀬皇子?」
彼女が信じられないといった感じで答えた。先程まで頭の中で思い返していた彼が、本当に現実として現れた。
「あぁ、そう俺だ。今日は大王の代理で久々にやって来たんだ。それで折角だから後でお前の所にも顔を出そうかと思っていた所だ」
大泊瀬皇子は、相変わらず態度を大きくして彼女にいった。4年たっても根本的な所はどうも変わっていないようだ。
(やっぱり、この皇子は余り変わってないわね)
「これは大泊瀬皇子、どうもご無沙汰してます。まさか皇子が今日いらしていたなんて、本当に驚きです」
4年ぶりの再会とはいっても、何ともあっけないものだなと韓媛は思った。
韓媛は自分の部屋で、ふとそんな幼馴染みの彼の事を思い返していた。
「そういえば、そろそろお父様もお話しが終わった頃かしら。久々に皇子の事を思い出したから、昔彼とよく遊んでいた、宮の裏にある大きな木のふもとに行ってみたくなったわ」
韓媛は急にそう思いたつと、そのまま部屋を出て、近くに宮の使用人達がいないか探した。
そして彼女はその者らを見つけると、自身の行きたい場所を伝える。
またその際には、長時間はいない旨も彼らにきちんと説明した。
そして使用人達から許可をもらった上で、彼女はそこに向かう事にした。
目的の場所は、韓媛の住んでいる宮の裏から歩いて少し行った所にある。
彼女が歩いていると、その場所を涼しい風が吹き抜けていった。
今は丁度、季節も夏から秋に変わる頃合いであろう。
「ここに来るのは本当に久々ね。元々ここは大泊瀬皇子が気に入っていた場所だったわ。皇子が宮に来なくなってからは、余り行く機会もなかったのよね」
そして韓媛の目の前にその木が見えてきた。だがその木の側に誰かが来ているようだ。
「あら、こんな所に人が来てるなんて。一体誰かしら?」
韓媛はその人物が誰なのか気になって、思わずじっと見つめた。
その人物は木を下から見上げていて、どうやらとても若い青年のように見える。
(とても若い青年に見える。服装も立派そうだから、今日お父様の元に来られた方?)
その青年は、後ろから誰か来てるのに気が付いたらしく、ふと韓媛の方に振り返った。
耳の横でみずでまとめ、髪の先は長く下に降ろしていた。背もそれなりに高く体格もしっかりしている。
(容姿もそれなりに整ってるわ。私よりも数歳年上かしら?)
韓媛はいよいよ、その青年の近くまでやって来た。そして何となく彼がとても見覚えのある顔立ちだに思えた。
青年の方が先に韓媛に何か気付いたみたいで、彼女に声をかけた。
「誰かと思ったら、お前韓媛か?かなり久しぶりだな」
彼は口元に軽く笑みを浮かべ、そして少し威圧的な感じで彼女に話しかけた。
そんな彼を見て、韓媛もこの青年が誰なのか気が付いた。
「あ、あなたもしかして、大泊瀬皇子?」
彼女が信じられないといった感じで答えた。先程まで頭の中で思い返していた彼が、本当に現実として現れた。
「あぁ、そう俺だ。今日は大王の代理で久々にやって来たんだ。それで折角だから後でお前の所にも顔を出そうかと思っていた所だ」
大泊瀬皇子は、相変わらず態度を大きくして彼女にいった。4年たっても根本的な所はどうも変わっていないようだ。
(やっぱり、この皇子は余り変わってないわね)
「これは大泊瀬皇子、どうもご無沙汰してます。まさか皇子が今日いらしていたなんて、本当に驚きです」
4年ぶりの再会とはいっても、何ともあっけないものだなと韓媛は思った。