それから2人は、それぞれの近況や雑談等をして、会話をとても楽しんだ。
(とりあえず、軽大娘皇女がお元気そうでなによりだわ)
韓媛は、自分と楽しそうに話しをする彼女を見てそう思った。
昨日見た光景だと、軽大娘皇女が木梨軽皇子の元に会いに行ってからの心中のようだ。そうすると彼女は、この後伊予国に行こうとしてるのだろうか。
だが韓媛が見る限り、彼女が周りの目を盗んで皇子に会いに行こうとしている気配は、余り感じられない。
「それにしても、軽大娘皇女がお元気そうで本当に良かったです」
「私も、元気そうなあなたを見れて本当に何よりだわ。大泊瀬が最近葛城に度々行っているのは聞いていたの。だからてっきり、弟はあなたに会うために行ってるのだと思ってたわ」
韓媛はそれを聞いてとても驚いた。彼が葛城に来ているのは、父の葛城円に会うためで、自分はそのついでだ。
だが彼が彼女に会いに来ているのは事実なので、そんな噂がたっていても不思議ではない。
(確かに、はたから見ればそう思われてもおかしくないわ……)
「大泊瀬皇子が葛城に来られてるのは父に会うためです。私はきっとそのついでなのでしょう」
韓媛は、とりあえず彼女の誤解は解いておこうと思った。今後さらに変な噂がたって、大泊瀬皇子に迷惑がかかっては申し訳ない。
「まぁ、恐らくはそうなんでしょうけど。でも昔から弟とあなたは仲が良かったから、そういう可能性もあるのかと思って」
(駄目だわ、軽大娘皇女は完全に私と皇子の仲を疑われてる……)
「軽大娘皇女、皇子と私はそういう関係ではありません。それに私の相手は、父が探すはずですから」
韓媛もこれは嘘ではないと思うので、とりあえず大泊瀬皇子との関係だけは否定しておきたいと思った。
「まぁ、そうなの。最近葛城の娘が大和に嫁ぐ事が多かったから、当然あなたも大和に嫁ぐものだと思っていたわ」
確かに軽大娘皇女がいっているのは本当だった。過去に葛城の磐之媛が大和の大王に嫁いで以降、葛城からは何人もの妃を大和に送り出している。
そして最近、大泊瀬皇子が度々葛城に来ており、自分にも会っているとなれば、普通はそう考えるだろう。
(そ、そうだったわ。もしかするとお父様も、私の嫁ぎ先を大和の皇子にと考えられてるかもしれない……)
韓媛はその事に初めて気が付き、余りの衝撃に言葉を失った。
そんな韓媛を見て、軽大娘皇女は慌てていった。
「ま、まぁ、それはそれで良いかもと私も思っていただけよ。余り気にしないでね」
軽大娘皇女は、自分の発言で固まってしまった彼女を見て、この件はもう触れないでおこうと思った。
(大泊瀬は、多分その事を分かって葛城に行っているはずだわ。あの子も中々大変そうね)
(とりあえず、軽大娘皇女がお元気そうでなによりだわ)
韓媛は、自分と楽しそうに話しをする彼女を見てそう思った。
昨日見た光景だと、軽大娘皇女が木梨軽皇子の元に会いに行ってからの心中のようだ。そうすると彼女は、この後伊予国に行こうとしてるのだろうか。
だが韓媛が見る限り、彼女が周りの目を盗んで皇子に会いに行こうとしている気配は、余り感じられない。
「それにしても、軽大娘皇女がお元気そうで本当に良かったです」
「私も、元気そうなあなたを見れて本当に何よりだわ。大泊瀬が最近葛城に度々行っているのは聞いていたの。だからてっきり、弟はあなたに会うために行ってるのだと思ってたわ」
韓媛はそれを聞いてとても驚いた。彼が葛城に来ているのは、父の葛城円に会うためで、自分はそのついでだ。
だが彼が彼女に会いに来ているのは事実なので、そんな噂がたっていても不思議ではない。
(確かに、はたから見ればそう思われてもおかしくないわ……)
「大泊瀬皇子が葛城に来られてるのは父に会うためです。私はきっとそのついでなのでしょう」
韓媛は、とりあえず彼女の誤解は解いておこうと思った。今後さらに変な噂がたって、大泊瀬皇子に迷惑がかかっては申し訳ない。
「まぁ、恐らくはそうなんでしょうけど。でも昔から弟とあなたは仲が良かったから、そういう可能性もあるのかと思って」
(駄目だわ、軽大娘皇女は完全に私と皇子の仲を疑われてる……)
「軽大娘皇女、皇子と私はそういう関係ではありません。それに私の相手は、父が探すはずですから」
韓媛もこれは嘘ではないと思うので、とりあえず大泊瀬皇子との関係だけは否定しておきたいと思った。
「まぁ、そうなの。最近葛城の娘が大和に嫁ぐ事が多かったから、当然あなたも大和に嫁ぐものだと思っていたわ」
確かに軽大娘皇女がいっているのは本当だった。過去に葛城の磐之媛が大和の大王に嫁いで以降、葛城からは何人もの妃を大和に送り出している。
そして最近、大泊瀬皇子が度々葛城に来ており、自分にも会っているとなれば、普通はそう考えるだろう。
(そ、そうだったわ。もしかするとお父様も、私の嫁ぎ先を大和の皇子にと考えられてるかもしれない……)
韓媛はその事に初めて気が付き、余りの衝撃に言葉を失った。
そんな韓媛を見て、軽大娘皇女は慌てていった。
「ま、まぁ、それはそれで良いかもと私も思っていただけよ。余り気にしないでね」
軽大娘皇女は、自分の発言で固まってしまった彼女を見て、この件はもう触れないでおこうと思った。
(大泊瀬は、多分その事を分かって葛城に行っているはずだわ。あの子も中々大変そうね)