その後韓媛は大泊瀬皇子と一緒に時間を過ごすことにする。そして気が付くと周りはすっかり夕方に差しかかっていた。
それから彼女は、大泊瀬皇子達が明日狩りに行く予定なので、自分は忍坂姫達とどう過ごすかの相談をするため、忍坂姫と阿佐津姫を探すことにした。
「大泊瀬皇子、ちょっと皇后さま達の所に行ってきますね」
韓媛はそれまで寄り添っていた大泊瀬皇子から、体を離して立ち上がった。
「あぁ、分かった。もう夕方だから早く済ませて帰ってこい。暗くなったらお前を探すのは大変だからな」
大泊瀬皇子は少し心配そうにしながら彼女にそういう。時間も夕方頃になったので少し気にしているようだ。
「はい、分かりました。出来るだけ早く戻ってきますね」
韓媛はそういって、大泊瀬皇子の元を離れて忍坂姫と阿佐津姫を探すことにした。
韓媛が外を歩いていると、少し夕日が出はじめていた。そんな外の景色を見て彼女は何て美しい光景だろうと感じる。
今回息長に来てみて本当に良かったと彼女は思った。
そして彼女が歩いていると、どこからか人の声が聞こえてきた。
どうやら息長の住居から少し外に出た場所のようで、側は林に少しおおわれている。
(誰かが話でもしてるのかしら?)
韓媛は誰がいるのか分からず、盗み聞きするのも悪いと思い、そのまま通りすぎようかとした。
だがその声はどうやら彼女の知っている人物のようだ。
「あら、これは阿佐津姫の声かしら?」
韓媛はとりあえずそっと側に行ってみる。
するとさらにもう一人の声が聞こえてきた。その相手はどうやら市辺皇子のようだ。
(え、阿佐津姫と市辺皇子?)
韓媛は余り仲の良くない2人が、どうして一緒にこんな人気のない所で話しをしているのか、少し疑問に感じた。
とりあえず2人に気付かれないようにして隠れ、そっと会話を聞いてみることにする。
「お前は昔から本当に変わらないな、阿佐津姫」
市辺皇子は少し愉快そうにしながら、彼女に話しかける。
彼自身は阿佐津姫を嫌ってるふうには見えない。だが彼女に対しては、確かに彼は少し意地の悪い言い方をしているように見える。
「久々に話しでもしようというから来てあげたのに、相変わらず人を馬鹿にしたような口調ね。あなたのそう言う所は本当に腹がたつわ」
阿佐津姫は少し気分を害したような表情を見せながら、そう彼に答える。
きっと昔からこの2人は、このようなやり取りをずっと繰り返していたのだろう。
韓媛には正直この2人の関係がいまいち理解出来ない。
特に市辺皇子にとって、阿佐津姫は過去に一度婚姻を持ちかけた相手だ。それならもう少し態度も違ってきそうにも思える。
だがもしかすると、彼にとってもその話は既に過去のこととなっており、もう彼女に対しては何の想いもないのだろうか。
それから彼女は、大泊瀬皇子達が明日狩りに行く予定なので、自分は忍坂姫達とどう過ごすかの相談をするため、忍坂姫と阿佐津姫を探すことにした。
「大泊瀬皇子、ちょっと皇后さま達の所に行ってきますね」
韓媛はそれまで寄り添っていた大泊瀬皇子から、体を離して立ち上がった。
「あぁ、分かった。もう夕方だから早く済ませて帰ってこい。暗くなったらお前を探すのは大変だからな」
大泊瀬皇子は少し心配そうにしながら彼女にそういう。時間も夕方頃になったので少し気にしているようだ。
「はい、分かりました。出来るだけ早く戻ってきますね」
韓媛はそういって、大泊瀬皇子の元を離れて忍坂姫と阿佐津姫を探すことにした。
韓媛が外を歩いていると、少し夕日が出はじめていた。そんな外の景色を見て彼女は何て美しい光景だろうと感じる。
今回息長に来てみて本当に良かったと彼女は思った。
そして彼女が歩いていると、どこからか人の声が聞こえてきた。
どうやら息長の住居から少し外に出た場所のようで、側は林に少しおおわれている。
(誰かが話でもしてるのかしら?)
韓媛は誰がいるのか分からず、盗み聞きするのも悪いと思い、そのまま通りすぎようかとした。
だがその声はどうやら彼女の知っている人物のようだ。
「あら、これは阿佐津姫の声かしら?」
韓媛はとりあえずそっと側に行ってみる。
するとさらにもう一人の声が聞こえてきた。その相手はどうやら市辺皇子のようだ。
(え、阿佐津姫と市辺皇子?)
韓媛は余り仲の良くない2人が、どうして一緒にこんな人気のない所で話しをしているのか、少し疑問に感じた。
とりあえず2人に気付かれないようにして隠れ、そっと会話を聞いてみることにする。
「お前は昔から本当に変わらないな、阿佐津姫」
市辺皇子は少し愉快そうにしながら、彼女に話しかける。
彼自身は阿佐津姫を嫌ってるふうには見えない。だが彼女に対しては、確かに彼は少し意地の悪い言い方をしているように見える。
「久々に話しでもしようというから来てあげたのに、相変わらず人を馬鹿にしたような口調ね。あなたのそう言う所は本当に腹がたつわ」
阿佐津姫は少し気分を害したような表情を見せながら、そう彼に答える。
きっと昔からこの2人は、このようなやり取りをずっと繰り返していたのだろう。
韓媛には正直この2人の関係がいまいち理解出来ない。
特に市辺皇子にとって、阿佐津姫は過去に一度婚姻を持ちかけた相手だ。それならもう少し態度も違ってきそうにも思える。
だがもしかすると、彼にとってもその話は既に過去のこととなっており、もう彼女に対しては何の想いもないのだろうか。