大泊瀬皇子が自身の宮に帰って行った後、韓媛は自分の部屋へと戻って来ていた。
先程夕食も済ませて、今は1人部屋でくつろいでいる状態だ。
「それにしても、大泊瀬皇子と再会するなんて思ってもみなかったわ。彼の場合、若干態度が大きのは気になるけど、割りと良くなったかしら」
韓媛はそう言って、自身の髪を止めている紐をほどいた。すると彼女の髪はバサッと広がり、そしてそのまま下に落ちた。
彼女の髪はとても艶があり、本人もこの髪をとても気に入っている。
そのお気に入りの髪を手で触れながら、彼女は先程の大泊瀬皇子との再会を、ふと思い返した。
彼女が思うに、どうやら彼も4年前に比べると、それなりに成長はしていた気がする。
「それに、今後はここにも時々来るといっていた。皇子もついに政り事に関わる年頃になったようね」
そんな大泊瀬皇子の成長には、韓媛も少なからず興味を覚えた。昔はただただ問題を起して悪さばかりする少年だった。そんな彼がどんなふうに変わったのだろうか。
(自分は大和にとって、なくてはならない存在になるとか、いってたぐらいだもの。その後は頑張ってたのかもしれない……)
そう思うと、韓媛はまた可笑しくなってきて、少し「クスクス」と笑った。
この4年間、彼がどういう生活を送っていたかは、正直彼女には分からない。彼の事は本当にたまに噂で聞く程度の情報しか入っては来なかった。
彼女がそんなことを考えている時だった。ふと部屋の外から人の声がした。
「韓媛私だ。中に入っても良いか」
外から声をかけてきたのは、彼女の父親である葛城円であった。父親の彼がこんな時間に韓媛の元に来るのは珍しい。
(お父様がこんな時間に訪ねて来られるのは、珍しいわね……)
とりあえず父を外で待たせたままにするのは申し訳ないので、彼女は部屋の中から彼に返事をした。
「はい、お父様大丈夫です。中に入ってきて下さい」
韓媛の返事を聞いた円は、そのまま部屋の中に入ってきた。
そして彼は韓媛の前に来ると、そのまま座った。そんな父親を彼女がふと見ると、彼は何か包み物を持っていた。
「韓媛、こんな時間にすまないな」
円は少し申し訳なさそうにして、彼女に言った。彼はここ葛城を仕切っている人物で、年齢も40手前ぐらいになる。
「いえ、それは構いません。それよりお父様、何か用事でしょうか?」
韓媛は何故こんな時間に父親が来たのか少し不思議に思えた。
「本当はもう少し早い時間に来たかったんだが……お前も知ってると思うが、今日は大泊瀬皇子が来られてたのでな」
どうやら大泊瀬皇子との事があったので、彼がここに来るのが遅くなったみたいだ。それを聞いた韓媛も、それなら仕方ないなと思った。
「確かにそうですね。お父様も色々とお忙しい中、本当にお疲れ様でした」
韓媛も、そんな父親にここまで足を運ばせてしまった事に、とても申し訳なく思う。
だが、彼がこんな時間にわざわざ訪ねて来るとなると、何か急ぎの用件でも出来たのだろうか。
先程夕食も済ませて、今は1人部屋でくつろいでいる状態だ。
「それにしても、大泊瀬皇子と再会するなんて思ってもみなかったわ。彼の場合、若干態度が大きのは気になるけど、割りと良くなったかしら」
韓媛はそう言って、自身の髪を止めている紐をほどいた。すると彼女の髪はバサッと広がり、そしてそのまま下に落ちた。
彼女の髪はとても艶があり、本人もこの髪をとても気に入っている。
そのお気に入りの髪を手で触れながら、彼女は先程の大泊瀬皇子との再会を、ふと思い返した。
彼女が思うに、どうやら彼も4年前に比べると、それなりに成長はしていた気がする。
「それに、今後はここにも時々来るといっていた。皇子もついに政り事に関わる年頃になったようね」
そんな大泊瀬皇子の成長には、韓媛も少なからず興味を覚えた。昔はただただ問題を起して悪さばかりする少年だった。そんな彼がどんなふうに変わったのだろうか。
(自分は大和にとって、なくてはならない存在になるとか、いってたぐらいだもの。その後は頑張ってたのかもしれない……)
そう思うと、韓媛はまた可笑しくなってきて、少し「クスクス」と笑った。
この4年間、彼がどういう生活を送っていたかは、正直彼女には分からない。彼の事は本当にたまに噂で聞く程度の情報しか入っては来なかった。
彼女がそんなことを考えている時だった。ふと部屋の外から人の声がした。
「韓媛私だ。中に入っても良いか」
外から声をかけてきたのは、彼女の父親である葛城円であった。父親の彼がこんな時間に韓媛の元に来るのは珍しい。
(お父様がこんな時間に訪ねて来られるのは、珍しいわね……)
とりあえず父を外で待たせたままにするのは申し訳ないので、彼女は部屋の中から彼に返事をした。
「はい、お父様大丈夫です。中に入ってきて下さい」
韓媛の返事を聞いた円は、そのまま部屋の中に入ってきた。
そして彼は韓媛の前に来ると、そのまま座った。そんな父親を彼女がふと見ると、彼は何か包み物を持っていた。
「韓媛、こんな時間にすまないな」
円は少し申し訳なさそうにして、彼女に言った。彼はここ葛城を仕切っている人物で、年齢も40手前ぐらいになる。
「いえ、それは構いません。それよりお父様、何か用事でしょうか?」
韓媛は何故こんな時間に父親が来たのか少し不思議に思えた。
「本当はもう少し早い時間に来たかったんだが……お前も知ってると思うが、今日は大泊瀬皇子が来られてたのでな」
どうやら大泊瀬皇子との事があったので、彼がここに来るのが遅くなったみたいだ。それを聞いた韓媛も、それなら仕方ないなと思った。
「確かにそうですね。お父様も色々とお忙しい中、本当にお疲れ様でした」
韓媛も、そんな父親にここまで足を運ばせてしまった事に、とても申し訳なく思う。
だが、彼がこんな時間にわざわざ訪ねて来るとなると、何か急ぎの用件でも出来たのだろうか。