「まず最初に現れた人は、正式な名前を雄朝津間稚子宿禰という。名前に稚子が入っているから、もしかすると末の皇子って意味なのかもしれない」
「へぇ、末の皇子ね〜」
「彼はその後に、大和の大王にもなっている。それが何で、皇子の姿で俺たちの前に現れたのかは謎だけど」
「そうね、確かに見た目は17、18歳ぐらいに見えたもの。見た目もとても凛々しそうで、本当に大和の皇子って感じだったわ」
「ふん、まぁそんなのはどうでも良いけどね。それとその横にいた人の名は忍坂大中姫、彼の后さ」
「忍坂大中姫、忍坂姫......なるほど」
「本人が皇子の姿で話していたから、そのままでいうけど。彼らは今から約150年ぐらい前の時代の人達だ」
「へぇ、でも何か凄い話ね。それに椋毘登は、やっぱり前世では大和の皇子だったのね」
「俺は別に気にしてないけど。だがもしかすると、前世で皇子が嫌で、それで今回は豪族の元に生まれたんじゃないかな?」
「あ、そうかもしれないわね。私は別に今世も皇女でも良かったけど。それに何だかとても可憐な女の子......」
「ーさぁ、どうだかな。何せ稚沙の前世なんだぞ」
ふと椋毘登が稚沙の話に水を差した。だが皇女だと聞いて、少し心を踊らせていた彼女はいささか腹を立てる。
「な、何よそのいい方!それに椋毘登だって、あの女の子のことをずっと見てたじゃない?椋毘登ってああいう子が好みなんだ!」
「別、別にただ見てただけだろ?あーもう!それより、話の本題に入るぞ!」
「え、本題?まだ他に話があるの?」
「あぁ、まあな」
稚沙はふと考えてみる。今日はてっきり、この2つの話をするだけだと思っていた。ではそれ以外に一体何の話があるのだろう。
(うーん何だろう。全然浮かばない)
「ふうー、とりあえず話を進めるけど。実は先日に、自分の父親に会いにいっていたんだ」
「え、椋毘登が父親に?何かあったの??」
稚沙はますます訳が分からず『何だ何だ』と思わず椋毘登にいい寄っていく。
すると椋毘登は急に動揺し始め、かなりドギマギした様子になる。稚沙はこんなに何かに緊張した彼を見るのは、初めてのような気がした。
「良いか稚沙、しっかり聞くんだぞ。俺はそこで父親にいったんだ。その、妻にしたいと考えてる人がいるって......」
「へぇ!?妻。椋毘登、妻って何の話?」
「だから、そんなのお前のことに決まってるだろ!」
(椋毘登が、私を妻にしたいと自分に父親にいった)
「え、え〜〜!!!」
稚沙は余りのことに、その場で声を張り上げ、思いっきり叫んだ。こちらも椋毘登がこれまでで初めて聞く、彼女の大きなどなり声だった。
「へぇ、末の皇子ね〜」
「彼はその後に、大和の大王にもなっている。それが何で、皇子の姿で俺たちの前に現れたのかは謎だけど」
「そうね、確かに見た目は17、18歳ぐらいに見えたもの。見た目もとても凛々しそうで、本当に大和の皇子って感じだったわ」
「ふん、まぁそんなのはどうでも良いけどね。それとその横にいた人の名は忍坂大中姫、彼の后さ」
「忍坂大中姫、忍坂姫......なるほど」
「本人が皇子の姿で話していたから、そのままでいうけど。彼らは今から約150年ぐらい前の時代の人達だ」
「へぇ、でも何か凄い話ね。それに椋毘登は、やっぱり前世では大和の皇子だったのね」
「俺は別に気にしてないけど。だがもしかすると、前世で皇子が嫌で、それで今回は豪族の元に生まれたんじゃないかな?」
「あ、そうかもしれないわね。私は別に今世も皇女でも良かったけど。それに何だかとても可憐な女の子......」
「ーさぁ、どうだかな。何せ稚沙の前世なんだぞ」
ふと椋毘登が稚沙の話に水を差した。だが皇女だと聞いて、少し心を踊らせていた彼女はいささか腹を立てる。
「な、何よそのいい方!それに椋毘登だって、あの女の子のことをずっと見てたじゃない?椋毘登ってああいう子が好みなんだ!」
「別、別にただ見てただけだろ?あーもう!それより、話の本題に入るぞ!」
「え、本題?まだ他に話があるの?」
「あぁ、まあな」
稚沙はふと考えてみる。今日はてっきり、この2つの話をするだけだと思っていた。ではそれ以外に一体何の話があるのだろう。
(うーん何だろう。全然浮かばない)
「ふうー、とりあえず話を進めるけど。実は先日に、自分の父親に会いにいっていたんだ」
「え、椋毘登が父親に?何かあったの??」
稚沙はますます訳が分からず『何だ何だ』と思わず椋毘登にいい寄っていく。
すると椋毘登は急に動揺し始め、かなりドギマギした様子になる。稚沙はこんなに何かに緊張した彼を見るのは、初めてのような気がした。
「良いか稚沙、しっかり聞くんだぞ。俺はそこで父親にいったんだ。その、妻にしたいと考えてる人がいるって......」
「へぇ!?妻。椋毘登、妻って何の話?」
「だから、そんなのお前のことに決まってるだろ!」
(椋毘登が、私を妻にしたいと自分に父親にいった)
「え、え〜〜!!!」
稚沙は余りのことに、その場で声を張り上げ、思いっきり叫んだ。こちらも椋毘登がこれまでで初めて聞く、彼女の大きなどなり声だった。



