「というか、椋毘登の前世って皇子なの?ならどうして、今世は豪族なのよ」
「いや、今はそこを突っ込まれてもちょっと困るんだけどね。それにもう少し説明すると、俺は彼の奇魂が人の形になっているんだ」
「く、奇魂?」
稚沙には何のことだかさっぱり分からない。これは初めて聞く言葉で、何かの玉なのだろうか。
「おい稚沙、それは四魂のことだ。人は奇魂の他に、和魂、幸魂、荒魂の4つで一つの魂なんだよ」
「まぁ、要するに椋毘登の魂の一部ってところかな?人は死んでも魂が無くなるわけではなく、生きている間は忘れていても、魂には前世の記憶がちゃんと残されているんだ」
「へぇー」
(だ、駄目だ......全然話しについていけない)
「ふん、要は俺自身の魂が、前世の姿で現れて今回の危機を知らせようとしていたってことですね」
稚沙はいまいち理解できてないが、とりあえず前世の椋毘登が、何か理由があって自分たちの前に現れたことだけ理解することにした。
そして彼女はそれから2人を交互に見比べてみる。生きていた時代は異なり、姿形も違ってはいるが、何処となく面影は似ているような気がする。というより、2人の醸し出す雰囲気が似ているのだ。
(うーん、性格はちょっと違うようだけど、言われててみれば、何処となく似ているかも......)
「それで話を戻しますが、なぜ俺たち2人がここにいるんですか?」
「ほら、前に君に話しただろう?俺の妃を見つけて守って欲しいって」
(妃を見つけて守る......)
「椋毘登、それは一体どいうこと?」
「俺はこの人に頼まれごとをされていたんだ。彼の妃だった人も、俺たちの時代に生まれ変わっていて、それでその人に危険が迫っているから、何とか助けてもらえないかと」
「まぁ、椋毘登そんなお願いをされていたの」
「でも、結局のところ。俺はあなたの妃をまだ見つけることさえ出来てないが」
「いや、それは大丈夫だよ。妃は君の隣に今いるから」
そういって彼はふと稚沙に笑みを見せる。それは彼女に対して初対面といった感じではなく、何とも親しみが感じられる笑顔だった。
(え?どう言うこと)
だがちょうどその時である。
突然に稚沙の体からふわっと人の形をしたものが現れた。見た目は稚沙ぐらいの年齢の女の子で、両耳に髪の輪っかを作り、何とも質の良い服を纏っている。どうやら彼女も相当身分の高い人のようだ。
するとその少女は、そのまま雄朝津間皇子の前まで歩いて行く。そして二人は互いに手を取り合った。
「やぁ忍坂姫、久しぶり」
皇子は彼女を見るなり、満面の笑みで彼女に話しかける。この状態を見るだけでも、この二人が互いに強い絆で結ばれているのが見て取れる。
「いや、今はそこを突っ込まれてもちょっと困るんだけどね。それにもう少し説明すると、俺は彼の奇魂が人の形になっているんだ」
「く、奇魂?」
稚沙には何のことだかさっぱり分からない。これは初めて聞く言葉で、何かの玉なのだろうか。
「おい稚沙、それは四魂のことだ。人は奇魂の他に、和魂、幸魂、荒魂の4つで一つの魂なんだよ」
「まぁ、要するに椋毘登の魂の一部ってところかな?人は死んでも魂が無くなるわけではなく、生きている間は忘れていても、魂には前世の記憶がちゃんと残されているんだ」
「へぇー」
(だ、駄目だ......全然話しについていけない)
「ふん、要は俺自身の魂が、前世の姿で現れて今回の危機を知らせようとしていたってことですね」
稚沙はいまいち理解できてないが、とりあえず前世の椋毘登が、何か理由があって自分たちの前に現れたことだけ理解することにした。
そして彼女はそれから2人を交互に見比べてみる。生きていた時代は異なり、姿形も違ってはいるが、何処となく面影は似ているような気がする。というより、2人の醸し出す雰囲気が似ているのだ。
(うーん、性格はちょっと違うようだけど、言われててみれば、何処となく似ているかも......)
「それで話を戻しますが、なぜ俺たち2人がここにいるんですか?」
「ほら、前に君に話しただろう?俺の妃を見つけて守って欲しいって」
(妃を見つけて守る......)
「椋毘登、それは一体どいうこと?」
「俺はこの人に頼まれごとをされていたんだ。彼の妃だった人も、俺たちの時代に生まれ変わっていて、それでその人に危険が迫っているから、何とか助けてもらえないかと」
「まぁ、椋毘登そんなお願いをされていたの」
「でも、結局のところ。俺はあなたの妃をまだ見つけることさえ出来てないが」
「いや、それは大丈夫だよ。妃は君の隣に今いるから」
そういって彼はふと稚沙に笑みを見せる。それは彼女に対して初対面といった感じではなく、何とも親しみが感じられる笑顔だった。
(え?どう言うこと)
だがちょうどその時である。
突然に稚沙の体からふわっと人の形をしたものが現れた。見た目は稚沙ぐらいの年齢の女の子で、両耳に髪の輪っかを作り、何とも質の良い服を纏っている。どうやら彼女も相当身分の高い人のようだ。
するとその少女は、そのまま雄朝津間皇子の前まで歩いて行く。そして二人は互いに手を取り合った。
「やぁ忍坂姫、久しぶり」
皇子は彼女を見るなり、満面の笑みで彼女に話しかける。この状態を見るだけでも、この二人が互いに強い絆で結ばれているのが見て取れる。



