その頃忍坂姫は丹比柴籬宮にいた。
彼女はそこで、瑞歯別大王の妃の佐由良とその娘の阿佐津姫を紹介された。
(この人が、瑞歯別大王の妃の佐由良……)
忍坂姫は彼女の事をまじまじと見た。
彼女の夫の瑞歯別大王も綺麗な顔立ちをしたとても凛々しい人だったが、この妃も大変綺麗な女性だった。
彼女の父親は物部伊莒弗と聞いていたが、母方は吉備との事だった。
元々は吉備から采女としてやって来ており、そして大和に来てから父親が誰だかが分かったんだそうだ。
そして大和で今の大王と知り合い、2人は恋に落ちた。
(何て、素敵なお話なんでしょう)
忍坂姫は佐由良と瑞歯別大王の恋の話しを聞いてとても感動した。
そしてそんな2人の間に阿佐津姫と言う名の1人の姫が生まれた。
前に市辺皇子が話していた、今年4歳になる女の子だ。
「佐由良様のお話しはとても感動しますね。それに阿佐津姫もとてもお可愛らしい姫で」
忍坂姫はそんな阿佐津姫を膝の上で抱っこしていた。市辺皇子よりも2歳下なので、だいぶ軽く感じられた。
「あら、忍坂姫も可愛らしい姫だと私は思うわよ」
佐由良は少しクスクス笑いながらそう言った。そんな彼女は今20歳になっているが、まだ10代の少女のように見える。元々小柄で、忍坂姫よりも少し背が低かった。
「大王から聞いているけど、今は雄朝津間皇子の宮にいるそうね。彼とは仲良くやれているの?」
どうやら彼女は、大王から忍坂姫がどうして雄朝津間皇子の元にいるかは聞いていたようだ。
元々彼女を皇子の宮に行くよう薦めたのは大王だったので、妃の彼女も話しに聞いていた。
「はい、そうですね。最初はどうなるかと思っていましたが、最近は皇子も割りと変わってきた感じがしています」
忍坂姫は彼女にそう答えた。皇子の気持ちはまだはっきりとは分からないが、初めの頃よりも、だいぶ仲良くなってきた感じがする。
「まぁ、そうなの。上手く行くと良いわね」
佐由良は彼女にそう言った。
雄朝津間皇子は彼女にとって、今は義理の弟になる。そんな彼の今後の事を彼女自身も心配しているようだ。
「ねぇ、お父さま達はまだ帰ってこないの?」
阿佐津姫は足をブラブラさせながら、その場で言った。
(最近は市辺皇子の事ばかりかまっていたけど、女の子の姫も可愛いわ)
「そうね、割と近くだから、視察が終われば直ぐに帰って来ると思うわ。それより阿佐津姫、姫がそんな足をブラブラさせないの」
佐由良はそう彼女を叱った。
母の佐由良にそう言われ、少しムクッとはしたが、そのまま素直に従い母の元に戻ってきた。
「この子、姫の割りにちょっとやんちゃな所があって」
佐由良はそう言いながら、阿佐津姫の頭を軽く叩いた。どうやらいつもこんな感じなのだそうだ。
「まぁ、そうなんですね。私も小さい頃かなりお転婆でした。雄朝津間皇子もそんな私に当時かなり参ったって、少し前に言ってましたね」
「そうなの。その話しは初めて聞いたわ。昔、皇子とは一度だけ会った事があるとは聞いていたけど」
そんなお転婆な所があったので、雄朝津間皇子も最初この婚姻に反対していたと言っていた。
(でも、本当にそれだけの理由だったのかしら。他に何か理由があったのかは聞いてなかったけど)
彼女はそこで、瑞歯別大王の妃の佐由良とその娘の阿佐津姫を紹介された。
(この人が、瑞歯別大王の妃の佐由良……)
忍坂姫は彼女の事をまじまじと見た。
彼女の夫の瑞歯別大王も綺麗な顔立ちをしたとても凛々しい人だったが、この妃も大変綺麗な女性だった。
彼女の父親は物部伊莒弗と聞いていたが、母方は吉備との事だった。
元々は吉備から采女としてやって来ており、そして大和に来てから父親が誰だかが分かったんだそうだ。
そして大和で今の大王と知り合い、2人は恋に落ちた。
(何て、素敵なお話なんでしょう)
忍坂姫は佐由良と瑞歯別大王の恋の話しを聞いてとても感動した。
そしてそんな2人の間に阿佐津姫と言う名の1人の姫が生まれた。
前に市辺皇子が話していた、今年4歳になる女の子だ。
「佐由良様のお話しはとても感動しますね。それに阿佐津姫もとてもお可愛らしい姫で」
忍坂姫はそんな阿佐津姫を膝の上で抱っこしていた。市辺皇子よりも2歳下なので、だいぶ軽く感じられた。
「あら、忍坂姫も可愛らしい姫だと私は思うわよ」
佐由良は少しクスクス笑いながらそう言った。そんな彼女は今20歳になっているが、まだ10代の少女のように見える。元々小柄で、忍坂姫よりも少し背が低かった。
「大王から聞いているけど、今は雄朝津間皇子の宮にいるそうね。彼とは仲良くやれているの?」
どうやら彼女は、大王から忍坂姫がどうして雄朝津間皇子の元にいるかは聞いていたようだ。
元々彼女を皇子の宮に行くよう薦めたのは大王だったので、妃の彼女も話しに聞いていた。
「はい、そうですね。最初はどうなるかと思っていましたが、最近は皇子も割りと変わってきた感じがしています」
忍坂姫は彼女にそう答えた。皇子の気持ちはまだはっきりとは分からないが、初めの頃よりも、だいぶ仲良くなってきた感じがする。
「まぁ、そうなの。上手く行くと良いわね」
佐由良は彼女にそう言った。
雄朝津間皇子は彼女にとって、今は義理の弟になる。そんな彼の今後の事を彼女自身も心配しているようだ。
「ねぇ、お父さま達はまだ帰ってこないの?」
阿佐津姫は足をブラブラさせながら、その場で言った。
(最近は市辺皇子の事ばかりかまっていたけど、女の子の姫も可愛いわ)
「そうね、割と近くだから、視察が終われば直ぐに帰って来ると思うわ。それより阿佐津姫、姫がそんな足をブラブラさせないの」
佐由良はそう彼女を叱った。
母の佐由良にそう言われ、少しムクッとはしたが、そのまま素直に従い母の元に戻ってきた。
「この子、姫の割りにちょっとやんちゃな所があって」
佐由良はそう言いながら、阿佐津姫の頭を軽く叩いた。どうやらいつもこんな感じなのだそうだ。
「まぁ、そうなんですね。私も小さい頃かなりお転婆でした。雄朝津間皇子もそんな私に当時かなり参ったって、少し前に言ってましたね」
「そうなの。その話しは初めて聞いたわ。昔、皇子とは一度だけ会った事があるとは聞いていたけど」
そんなお転婆な所があったので、雄朝津間皇子も最初この婚姻に反対していたと言っていた。
(でも、本当にそれだけの理由だったのかしら。他に何か理由があったのかは聞いてなかったけど)