この話しのそもそもの発端は2日前の事である。
雄朝津間皇子の元に、瑞歯別大王から一緒に渡来人の視察に行かないかと連絡があった。
「はぁ、俺はそんなの行かないから、断っておいて」
余り表だって政り事に関わりたくない皇子は、やんわりその話しを断ろうと思った。
(別にそんなの、兄上達だけで行ったら良いだけだろ)
しかし、それを横で聞いていた忍坂姫は彼に言った。
「そんな皇子、折角の大王からのお誘いなのに……それに私もその視察には興味があります。皇子が行かないのであれば、私が行ったら駄目ですか?」
今この娘は何と言ったんだ。大王自らが出向いての視察に、事もあろうか皇女自身が行きたいなんて、普通ではあり得ないことだ。好奇心旺盛にも程がある。
「忍坂姫、一体何を言っているんだ!!渡来人達が沢山いる所への視察なんて、皇女の君に行かせられる訳ないだろ!!!」
雄朝津間皇子は驚きの余り、珍しくその場で叫んだ。
(皇子、何もそこまで怒鳴らなくても……)
忍坂姫は皇子にそう言われて、思わずシュンとした。
彼女自身、まさか彼がここまで怒るとは思ってもみなかった。
「はぁー、君に視察に行かせるぐらいなら自分が行くよ」
その後色々と話し合いをした結果、やはり雄朝津間皇子だけが視察に向かう事になった。
視察先から少し行った所に瑞歯別大王の住んでいる丹比柴籬宮があるので、忍坂姫にはそこにいてもらう事にした。
忍坂姫も瑞歯別大王の妃に会えると言う話しだったので、これでどうにか納得してもらえたようだ。
(今度という今度こそは、ついに大王の妃に会えるのね。あれだけ大王が素敵な方なのだから、その妃もきっと素敵な女性なんでしょう。それにそんな2人の話しを色々聞けるかもしれない)
忍坂姫はそう思うと、何だかとても楽しみになってきた。
そんな彼女を横で見ていた雄朝津間皇子は、思わず「はぁー」とため息を付いていた。
(これは絶対に、何か色々と考えてる感じだな……)
そして当日、忍坂姫をまず大王の宮に連れていき、それから雄朝津間皇子は瑞歯別大王達と一緒に視察に向かう事になった。
雄朝津間皇子の元に、瑞歯別大王から一緒に渡来人の視察に行かないかと連絡があった。
「はぁ、俺はそんなの行かないから、断っておいて」
余り表だって政り事に関わりたくない皇子は、やんわりその話しを断ろうと思った。
(別にそんなの、兄上達だけで行ったら良いだけだろ)
しかし、それを横で聞いていた忍坂姫は彼に言った。
「そんな皇子、折角の大王からのお誘いなのに……それに私もその視察には興味があります。皇子が行かないのであれば、私が行ったら駄目ですか?」
今この娘は何と言ったんだ。大王自らが出向いての視察に、事もあろうか皇女自身が行きたいなんて、普通ではあり得ないことだ。好奇心旺盛にも程がある。
「忍坂姫、一体何を言っているんだ!!渡来人達が沢山いる所への視察なんて、皇女の君に行かせられる訳ないだろ!!!」
雄朝津間皇子は驚きの余り、珍しくその場で叫んだ。
(皇子、何もそこまで怒鳴らなくても……)
忍坂姫は皇子にそう言われて、思わずシュンとした。
彼女自身、まさか彼がここまで怒るとは思ってもみなかった。
「はぁー、君に視察に行かせるぐらいなら自分が行くよ」
その後色々と話し合いをした結果、やはり雄朝津間皇子だけが視察に向かう事になった。
視察先から少し行った所に瑞歯別大王の住んでいる丹比柴籬宮があるので、忍坂姫にはそこにいてもらう事にした。
忍坂姫も瑞歯別大王の妃に会えると言う話しだったので、これでどうにか納得してもらえたようだ。
(今度という今度こそは、ついに大王の妃に会えるのね。あれだけ大王が素敵な方なのだから、その妃もきっと素敵な女性なんでしょう。それにそんな2人の話しを色々聞けるかもしれない)
忍坂姫はそう思うと、何だかとても楽しみになってきた。
そんな彼女を横で見ていた雄朝津間皇子は、思わず「はぁー」とため息を付いていた。
(これは絶対に、何か色々と考えてる感じだな……)
そして当日、忍坂姫をまず大王の宮に連れていき、それから雄朝津間皇子は瑞歯別大王達と一緒に視察に向かう事になった。