「僕の名前は、房千嘉って言います。年は16歳です。2歳下の千佐名とは子供の頃から仲良くしてました。先日も出先で綺麗な髪飾りを見つけたので、彼女に上げたりもしていました。
だが、どうも幼なじみとしての期間が長過ぎたのか、中々彼女に異性としては見て貰えませんでした」
忍坂姫が先日見た光景は、どうやら今彼が話した時のものを見せていたようだった。
彼女も髪飾りを受け取って、とても嬉しそうにしていた。
「なる程。彼女からは、幼なじみとしてしか見られてないって事なのね」
忍坂姫も中々どうしたものかと思った。
小さい頃から一緒にいた男性をそんな簡単に好きになれるのだろうか。
「それに数年前から、雄朝津間皇子が彼女の元に通うようになりました。それから千佐名は、皇子の事しか見なくなりました」
彼からしたら、相手は大和の皇子だ。どうする事も出来ないでいたのであろう。
「それならあなたに話したい事があるの。あ、それと私、名前を言ってなかったわよね。私の名前は忍坂姫、一応皇女で今は雄朝津間皇子の宮に来ているの」
それを聞いた房千嘉は「えー!こ、皇女様!!」と言ってひどく驚いた。
「まさか、あなたが皇女様だったとは、
それは大変失礼しました!」
房千嘉は慌てて、彼女に謝った。
「別に、気にしていないから良いわ。私も名前を言っていなかったんだし。それより先程の話しなんだけど」
忍坂姫は、先日千佐名が寝込んで雄朝津間皇子が彼女の元に行った事を告げた。そして皇子自身が彼女の幸せを考えている事等、彼から聞いた事を全てこの房千嘉に話した。
それを聞いた房千嘉は、信じられないと言った表情で忍坂姫の話しを聞いていた。
「なる程。皇子はそのようにお考えなんですね」
「そ、そうなの!私もその千佐名って子には幸せになって貰いたい。
だからあなたには彼女を諦めずに頑張って欲しいのよ」
忍坂姫はそう彼に言った。この房千嘉と言う青年なら、きっと彼女を幸せに出来ると思えた。
「分かりました。そこまで皇女様に応援して貰えるなら、僕頑張ってみようと思います」
房千嘉は、そう忍坂姫に答えた。
「房千嘉、その意気よ!」
ただ一体どうやって、千佐名と房千嘉をまとめたら良いのだろうか。
すると房千嘉は、この辺りに咲いてる花を見て言った。
「ここの場所は昔よく、千佐名と一緒に来てました。彼女はここの花がとても好きだったので」
彼の脳裏にはきっと今、その時の事が鮮明に浮かんでいるのであろう。
「であれば、ここにあなたと千佐名がやって来て、それで話しをしてみたらどうかしら?」
こんな綺麗な場所で、思いを伝えたらきっと素敵だろう。忍坂姫はふとそう思った。
「そうですね。僕達にとっては想い出の場所ですし、どうせ言うならここが良いかもしれません」
「えぇ、それで行きましょう!」
(でもこれを実行する為には、他にも協力してもらった方が良いかしら)
忍坂姫は誰にこんな事を相談したら良いのか考えた。他に千佐名の事を心配していて、協力してくれそうな人と言ったら誰が良いのだろう。
「そうだわ!雄朝津間皇子に協力して貰えないか、私が聞いてみるわ」
「雄朝津間皇子にですか、何かそれはかなり申し訳ないような……」
彼は千佐名の元に通っていた人だ。そんな相手に、自分の恋の応援を頼んで本当に良いのだろうか。
「大丈夫、私が必ず説得するわ。それに元々の原因を作ったのは皇子本人なのだから」
だが、どうも幼なじみとしての期間が長過ぎたのか、中々彼女に異性としては見て貰えませんでした」
忍坂姫が先日見た光景は、どうやら今彼が話した時のものを見せていたようだった。
彼女も髪飾りを受け取って、とても嬉しそうにしていた。
「なる程。彼女からは、幼なじみとしてしか見られてないって事なのね」
忍坂姫も中々どうしたものかと思った。
小さい頃から一緒にいた男性をそんな簡単に好きになれるのだろうか。
「それに数年前から、雄朝津間皇子が彼女の元に通うようになりました。それから千佐名は、皇子の事しか見なくなりました」
彼からしたら、相手は大和の皇子だ。どうする事も出来ないでいたのであろう。
「それならあなたに話したい事があるの。あ、それと私、名前を言ってなかったわよね。私の名前は忍坂姫、一応皇女で今は雄朝津間皇子の宮に来ているの」
それを聞いた房千嘉は「えー!こ、皇女様!!」と言ってひどく驚いた。
「まさか、あなたが皇女様だったとは、
それは大変失礼しました!」
房千嘉は慌てて、彼女に謝った。
「別に、気にしていないから良いわ。私も名前を言っていなかったんだし。それより先程の話しなんだけど」
忍坂姫は、先日千佐名が寝込んで雄朝津間皇子が彼女の元に行った事を告げた。そして皇子自身が彼女の幸せを考えている事等、彼から聞いた事を全てこの房千嘉に話した。
それを聞いた房千嘉は、信じられないと言った表情で忍坂姫の話しを聞いていた。
「なる程。皇子はそのようにお考えなんですね」
「そ、そうなの!私もその千佐名って子には幸せになって貰いたい。
だからあなたには彼女を諦めずに頑張って欲しいのよ」
忍坂姫はそう彼に言った。この房千嘉と言う青年なら、きっと彼女を幸せに出来ると思えた。
「分かりました。そこまで皇女様に応援して貰えるなら、僕頑張ってみようと思います」
房千嘉は、そう忍坂姫に答えた。
「房千嘉、その意気よ!」
ただ一体どうやって、千佐名と房千嘉をまとめたら良いのだろうか。
すると房千嘉は、この辺りに咲いてる花を見て言った。
「ここの場所は昔よく、千佐名と一緒に来てました。彼女はここの花がとても好きだったので」
彼の脳裏にはきっと今、その時の事が鮮明に浮かんでいるのであろう。
「であれば、ここにあなたと千佐名がやって来て、それで話しをしてみたらどうかしら?」
こんな綺麗な場所で、思いを伝えたらきっと素敵だろう。忍坂姫はふとそう思った。
「そうですね。僕達にとっては想い出の場所ですし、どうせ言うならここが良いかもしれません」
「えぇ、それで行きましょう!」
(でもこれを実行する為には、他にも協力してもらった方が良いかしら)
忍坂姫は誰にこんな事を相談したら良いのか考えた。他に千佐名の事を心配していて、協力してくれそうな人と言ったら誰が良いのだろう。
「そうだわ!雄朝津間皇子に協力して貰えないか、私が聞いてみるわ」
「雄朝津間皇子にですか、何かそれはかなり申し訳ないような……」
彼は千佐名の元に通っていた人だ。そんな相手に、自分の恋の応援を頼んで本当に良いのだろうか。
「大丈夫、私が必ず説得するわ。それに元々の原因を作ったのは皇子本人なのだから」