「はぁ!?花を見に行きたいだって?」
雄朝津間皇子はまた変わった事を言ってきたなと思った。
「さっき宮の女達が噂をしていて、私も行ってみたいと思ったの。駄目かしら?」
忍坂姫は皇子の手を握って、すがるような目で彼に言った。
彼女自身、ここで引き下がる訳には絶対にいかなかった。
雄朝津間皇子は、珍しく忍坂姫からひどくお願いされてしまい、思わずたじろいでしまう。
彼女にこんな風にお願いされたら、彼も中々駄目とはよう言えない。ここはもう彼女の希望を聞いてやるほかないだろう。
「分かったよ。今君が言った場所に行けたら良いんだね。だったら俺が連れていってやるよ」
(へえ!?)
忍坂姫は予想外の事を言われてしまう。彼が側にいたら、思うように動けない。
「そ、そんな。皇子も忙しいだろうし、余りご迷惑は懸けれないわ……」
彼女は思わず、彼にそう言った。
「別に構わないよ。君も宮にいるばかりじゃ退屈なんだろう。それぐらい大丈夫だから」
雄朝津間皇子は、忍坂姫に笑顔でそう言った。そして何故だか、彼は妙に嬉しそうしている。
「あのう、ちなみにその場所は日田戸祢の家の近くって聞いたわ。そこに私と一緒に行っても大丈夫なの?」
「あぁ、君はその事を気にしていたのか。君は大王の勧めでこの宮に来ているんだ。それに君の事は日田戸祢にも言ってある。
その事を日田戸祢や他の人達にとやかく言われる筋合いはないよ」
忍坂姫は皇子にそこまで言われてしまうと、何も言えなくなってしまった。
「じゃあ、私は花を見ているので、もし日田戸祢の家が気になるようなら、行ってきてもらっても構わないわ。先日の娘の件もあったし」
忍坂姫は、それであれば少しでも彼と離れる時間を作るしかないと思った。
「まぁ、千佐名の事を抜きにしても、日田戸祢とは他に色々話したい事はあるけどね。君がそこまで気を遣ってくれるんなら、少し日田戸祢の所にも寄ってみる事にするよ」
とりあえず、これで多少は時間が稼げそうだ。あとはあの鏡を信じるしかない。
雄朝津間皇子はまた変わった事を言ってきたなと思った。
「さっき宮の女達が噂をしていて、私も行ってみたいと思ったの。駄目かしら?」
忍坂姫は皇子の手を握って、すがるような目で彼に言った。
彼女自身、ここで引き下がる訳には絶対にいかなかった。
雄朝津間皇子は、珍しく忍坂姫からひどくお願いされてしまい、思わずたじろいでしまう。
彼女にこんな風にお願いされたら、彼も中々駄目とはよう言えない。ここはもう彼女の希望を聞いてやるほかないだろう。
「分かったよ。今君が言った場所に行けたら良いんだね。だったら俺が連れていってやるよ」
(へえ!?)
忍坂姫は予想外の事を言われてしまう。彼が側にいたら、思うように動けない。
「そ、そんな。皇子も忙しいだろうし、余りご迷惑は懸けれないわ……」
彼女は思わず、彼にそう言った。
「別に構わないよ。君も宮にいるばかりじゃ退屈なんだろう。それぐらい大丈夫だから」
雄朝津間皇子は、忍坂姫に笑顔でそう言った。そして何故だか、彼は妙に嬉しそうしている。
「あのう、ちなみにその場所は日田戸祢の家の近くって聞いたわ。そこに私と一緒に行っても大丈夫なの?」
「あぁ、君はその事を気にしていたのか。君は大王の勧めでこの宮に来ているんだ。それに君の事は日田戸祢にも言ってある。
その事を日田戸祢や他の人達にとやかく言われる筋合いはないよ」
忍坂姫は皇子にそこまで言われてしまうと、何も言えなくなってしまった。
「じゃあ、私は花を見ているので、もし日田戸祢の家が気になるようなら、行ってきてもらっても構わないわ。先日の娘の件もあったし」
忍坂姫は、それであれば少しでも彼と離れる時間を作るしかないと思った。
「まぁ、千佐名の事を抜きにしても、日田戸祢とは他に色々話したい事はあるけどね。君がそこまで気を遣ってくれるんなら、少し日田戸祢の所にも寄ってみる事にするよ」
とりあえず、これで多少は時間が稼げそうだ。あとはあの鏡を信じるしかない。