忍坂姫は宮にいる人で、外に出て行く機会の多そうな人に当たってみる事にした。
「あの男性、確か宮の使いでよく外に出て行ってる人よね。あの人に聞いてみましょう!」
彼女はそう思い、その男性に声をかけた。
そして先程見た家の特徴を説明してみると、男性からは何とも意外な答えが返ってきた。
「あぁ、それでしたら日田戸祢の家ですね。宮の使いで良く行くので間違いないです」
(え、日田戸祢の家?)
忍坂姫はそれを聞いてとても驚いた。
しかしそれなら、さっきその家から出てきていた娘も聞いてみる事にした。
「じゃあ、その家にいる私ぐらいの年齢で、割りと綺麗な感じの娘も知ってる?」
「それは恐らく日田戸祢の娘ですね。確か千佐名とか言ってましたっけね」
どうやら、さっき鏡に映っていた娘が、雄朝津間皇子の言っていた千佐名のようだ。今思えば、確かに控えめで従順そうな少女に見える。
(あぁ、あの子がそうだったのね……)
ちなみにその千佐名が話していた青年に関しては、誰かは分からないとの事だった。
「分かったわ。色々教えてくれてありがとう」
そう言って、忍坂姫はその男の元を離れた。
それから宮の中をブラブラと歩きながら、どうしたら良いものかと考えていた。
日田戸祢の家の場所は誰かに聞いたら直ぐに分かるはずだ。
だが何の理由をつけて、その家に行ったら良いのだろう。
それに先程鏡に映っていた青年が誰なのか、分からないままだ。
すると近くから、宮の女達の話し声が聞こえてきた。
「先日聞いたのだけれど、ここから少し行った所にツツジやサツキなんかの花が沢山咲いたみたいよ」
「あぁ、それは聞いたわ。確か日田戸祢の家の直ぐそばみたいね。私も気分転換に出掛けてみようかしら」
忍坂姫はその女達の話を聞いて、思わず足を止める。
(これはなんて話しを聞いたのかしら。であれば、その花の咲いてる場所に行って待っていたら、もしかするとその男性も見つけられるんじゃないかしら。
あの鏡に映っていた訳だし、可能性があるかも)
そう思った彼女は、さっそく雄朝津間皇子に外に出て良いか、聞いてみる事にした。
「あの男性、確か宮の使いでよく外に出て行ってる人よね。あの人に聞いてみましょう!」
彼女はそう思い、その男性に声をかけた。
そして先程見た家の特徴を説明してみると、男性からは何とも意外な答えが返ってきた。
「あぁ、それでしたら日田戸祢の家ですね。宮の使いで良く行くので間違いないです」
(え、日田戸祢の家?)
忍坂姫はそれを聞いてとても驚いた。
しかしそれなら、さっきその家から出てきていた娘も聞いてみる事にした。
「じゃあ、その家にいる私ぐらいの年齢で、割りと綺麗な感じの娘も知ってる?」
「それは恐らく日田戸祢の娘ですね。確か千佐名とか言ってましたっけね」
どうやら、さっき鏡に映っていた娘が、雄朝津間皇子の言っていた千佐名のようだ。今思えば、確かに控えめで従順そうな少女に見える。
(あぁ、あの子がそうだったのね……)
ちなみにその千佐名が話していた青年に関しては、誰かは分からないとの事だった。
「分かったわ。色々教えてくれてありがとう」
そう言って、忍坂姫はその男の元を離れた。
それから宮の中をブラブラと歩きながら、どうしたら良いものかと考えていた。
日田戸祢の家の場所は誰かに聞いたら直ぐに分かるはずだ。
だが何の理由をつけて、その家に行ったら良いのだろう。
それに先程鏡に映っていた青年が誰なのか、分からないままだ。
すると近くから、宮の女達の話し声が聞こえてきた。
「先日聞いたのだけれど、ここから少し行った所にツツジやサツキなんかの花が沢山咲いたみたいよ」
「あぁ、それは聞いたわ。確か日田戸祢の家の直ぐそばみたいね。私も気分転換に出掛けてみようかしら」
忍坂姫はその女達の話を聞いて、思わず足を止める。
(これはなんて話しを聞いたのかしら。であれば、その花の咲いてる場所に行って待っていたら、もしかするとその男性も見つけられるんじゃないかしら。
あの鏡に映っていた訳だし、可能性があるかも)
そう思った彼女は、さっそく雄朝津間皇子に外に出て良いか、聞いてみる事にした。