「忍坂姫って、昔かなりのお転婆娘だったあの子だよね?」
「あぁ、その彼女だ。雄朝津間、良く覚えていたな」
瑞歯別大王にしてみてもこれは意外だった。てっきりそんな娘の事なんて、覚えてないと思っていた。
(よりによって、あのお転婆娘が……)
雄朝津間皇子はその場で頭を抱えた。あんなお転婆娘なんて、絶対にあり得ないと。
「兄上、誠に申し訳ありませんが、その話しはお断りします」
彼には何の迷いも無かった。叔父の稚野毛皇子には悪いが、他の相手を当たってもらおう。
「まて、雄朝津間。確かに今回は婚姻の話しで向こうから来ている。
ただずっと会ってなかった2人だ、まずは会ってみて、それから決めて良いと言う話にしてある」
(そうは言っても、どうも嫌な予感しかない)
「でも、その兄上の口調からすると、もうその話しは決定事項って感じに聞こえるけど。その辺はどうなのさ?」
瑞歯別大王もだいぶ痛い所をつかれたと思った。雄朝津間皇子の言うように、まさにその通りである。
「雄朝津間、お前は鋭いな。お前の言うように、この話しは了承したと叔父上には伝えてある」
(やっぱりな……)
雄朝津間皇子はその場で大きくため息をついた。それと同時に何とも厄介な事に巻き込まれてしまったと思った。
「兄上、自分は好きな女性を妃にしてるのに、俺には勝手に押し付けてくる訳?」
「それを言われると中々痛いんだが、別にお前が他にめぼしい娘を見つけているならその娘でも構わない。
だがどうもそんな娘がいなそうなので、今回この婚姻を勧めてる訳だ。それにさっきも言ったように、これは強制的な婚姻ではない。だから会ってみて嫌なら断れば良いさ」
大王の言ってる事は間違ってはいない。皇族の皇子がいつまでも身を固めないのも問題だ。だが自分は政り事には表だって余り関わりたくない。だから婚姻にそこまでこだわっては来なかった。
今まで唯一妃にしたいと考えたのは、今の大王の妃になった彼女だけだ。
(まぁ彼女の場合、今となっては憧れの女性になってるけど)
「とにかく、俺はその婚姻に関しては、この場で断ります。叔父上にもそう伝えておいて」
そこまで言われたので、さすがに瑞歯別大王も諦めるかと彼は思った。だが大王からは意外な答えが変えって来た。
「実はだな雄朝津間。その忍坂姫には1度お前に会ってもらう為、お前のいる宮に来てもらうよう話してある。恐らく既に準備も始めてるはずだ」
それを聞いた彼は余りの事に驚き、そして大王に対して叫んだ。
「な、何だって!?何でそこまで話し進めてるんだよ。冗談じゃない!!」
「あぁ、その彼女だ。雄朝津間、良く覚えていたな」
瑞歯別大王にしてみてもこれは意外だった。てっきりそんな娘の事なんて、覚えてないと思っていた。
(よりによって、あのお転婆娘が……)
雄朝津間皇子はその場で頭を抱えた。あんなお転婆娘なんて、絶対にあり得ないと。
「兄上、誠に申し訳ありませんが、その話しはお断りします」
彼には何の迷いも無かった。叔父の稚野毛皇子には悪いが、他の相手を当たってもらおう。
「まて、雄朝津間。確かに今回は婚姻の話しで向こうから来ている。
ただずっと会ってなかった2人だ、まずは会ってみて、それから決めて良いと言う話にしてある」
(そうは言っても、どうも嫌な予感しかない)
「でも、その兄上の口調からすると、もうその話しは決定事項って感じに聞こえるけど。その辺はどうなのさ?」
瑞歯別大王もだいぶ痛い所をつかれたと思った。雄朝津間皇子の言うように、まさにその通りである。
「雄朝津間、お前は鋭いな。お前の言うように、この話しは了承したと叔父上には伝えてある」
(やっぱりな……)
雄朝津間皇子はその場で大きくため息をついた。それと同時に何とも厄介な事に巻き込まれてしまったと思った。
「兄上、自分は好きな女性を妃にしてるのに、俺には勝手に押し付けてくる訳?」
「それを言われると中々痛いんだが、別にお前が他にめぼしい娘を見つけているならその娘でも構わない。
だがどうもそんな娘がいなそうなので、今回この婚姻を勧めてる訳だ。それにさっきも言ったように、これは強制的な婚姻ではない。だから会ってみて嫌なら断れば良いさ」
大王の言ってる事は間違ってはいない。皇族の皇子がいつまでも身を固めないのも問題だ。だが自分は政り事には表だって余り関わりたくない。だから婚姻にそこまでこだわっては来なかった。
今まで唯一妃にしたいと考えたのは、今の大王の妃になった彼女だけだ。
(まぁ彼女の場合、今となっては憧れの女性になってるけど)
「とにかく、俺はその婚姻に関しては、この場で断ります。叔父上にもそう伝えておいて」
そこまで言われたので、さすがに瑞歯別大王も諦めるかと彼は思った。だが大王からは意外な答えが変えって来た。
「実はだな雄朝津間。その忍坂姫には1度お前に会ってもらう為、お前のいる宮に来てもらうよう話してある。恐らく既に準備も始めてるはずだ」
それを聞いた彼は余りの事に驚き、そして大王に対して叫んだ。
「な、何だって!?何でそこまで話し進めてるんだよ。冗談じゃない!!」