
作品番号 1674487
最終更新 2022/08/09
龍神様は今日も愛の教えを請う
蛙月/著
あやかし・和風ファンタジー
38ページ 完
総文字数/ 14,566
ランクイン履歴:
総合:25位(2022/08/12)
あやかし・和風ファンタジー:17位(2022/08/12)
鼓水(つづみ)十七歳
平凡な人間の娘
×
透冴(とうご)数千歳
銀髪青瞳の美麗な龍神
私、鼓水は縁あって龍神様の妻となった。
けれども、聡明博識の透冴様であっても、恋する気持ちというものはご存じなく……。
「実に不思議だ。鼓水とこうして肌を寄せ合っていると、心がとても穏やかになる。これが、恋というものか?」
私に教えを請われる。
とても名誉あるお役目――ですけれども、貴方にずっと恋してきた身としては、それはとても甘くて、くすぐったくて――。
「おまえは本当に罪深い。満ち足りたと思えば、飢えたように求めさせたり、耐えられない空虚に胸を圧し潰したり――私に色々な感情を芽生えさせ過ぎる」
「こんな気持ちを神である私に植え付けた償いは、一生私のそばにいることで贖ってもらうからな」
恋を知らないはずの龍神様。
でもその溺愛はとても甘くて切なくて……。