ああずっと、眺めていたい……。

勤勉を自負する私ですけれども、そのあまりの尊さに、つい掃除の手も止めざるを得ませんでした。

縁側で柱に背を預け、膝に書物を広げたまま転寝されているそのお姿。

絹のような銀髪を片方の肩だけに流し、着崩した単衣の胸元からのぞかせる、男らしい首筋。
絵のように通った鼻筋、そして薄く形の良い唇は男らしく引き結ばれているのに、どこか色っぽくて。
髪と同じ銀糸のような睫毛が陽で輝き、白磁の頬に柔らかな影を落とす。

あまりに神々しい美しさに、私は見入って目を逸らせずにいた。