つんつん、と頬に感覚を感じて目を開けた。

きらきら、と光が優しく流れている――それが風にそよぐ銀髪だと気付いて、私は慌てて飛び起きた。

「私ったら、こんなところで転寝を……!」
「すまぬ、起こしてしまったな。せっかく気持ちよさそうに眠っていたので、つい突っついてみたく……」

と、気遣ってくれる透冴様のお顔は何故だか少し赤い。
何を恥ずかしがっているのかしら――と気にする前に、自分の方が恥ずかしくなる。
お洗濯物を干そうと縁側に出たら日差しが気持ちよくて、つい横になってしまったのだ。

「も、申し訳ありません、透冴様。今日はお天気が良くてつい……」
「疲れているのではないか? そう頑張って家事などしなくていいのだぞ?」
「いいえ、私の悦びは透冴様に尽くすことなのです。誠心誠意をもって一生涯お仕えいたします」

胸を張って言う私に、透冴様は怪訝な顔をした。