(あんたよりは、どの人類も馬鹿ですよ、あんたよりは)

「僕達、良いカップルになれると思わない?」
「……も、勿論……」
「勿論?」
「思いませんとも!」

私は、思い切って膝で、サッカーボールをリフティングするように奴のブツに渾身の一撃をくらわした。

ははは。さぞ痛いだろう。
この世のものとも思えない痛みをさぞ感じているだろう。
さあさあ、苦しむが良い。
地獄の業火に焼かれる以上の痛みをたっぷりと味わうが良い!
どうしても崩れない奴の笑顔が悔しいが、その仮面が剥がれそうなのは、衝撃で床に尻餅をついた奴の額にうっすらにじんでいる汗が証明している。
後で膝を徹底的に消毒をしなければならないのは面倒だが、私は自分の唇の貞操を立派に守り、かつ今までの復讐とばかりに渾身のキックを上手く奴の中央に入れてやった事に大変満足した。

「随分ひどいことしてくれるね」