「あくまで聖女ですので、以後お見知り置きを」 妹への復讐のために自殺して怨霊になりたかっただけなのに、なぜか二度目の人生では聖女として修行させられています

異世界ファンタジー

和泉杏咲/著
「あくまで聖女ですので、以後お見知り置きを」 妹への復讐のために自殺して怨霊になりたかっただけなのに、なぜか二度目の人生では聖女として修行させられています
作品番号
1692011
最終更新
2023/03/09
総文字数
21,493
ページ数
9ページ
ステータス
未完結
いいね数
4
ランクイン履歴

異世界ファンタジー42位(2023/03/20)

恋愛ファンタジー34位(2023/03/20)

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「あいつらを呪い殺すには怨霊になるしかないわ」
「とりあえず聖女になりなさいよ」
「だが断る」
「………………」

アンジェリカはかつて、ソレイユ王国の王子妃だった。
だが、アンジェリカが嫁いだ第1王子ルイには側室がいた。
彼女の名前はアリエル。アンジェリカの腹違いの妹だった。
常に妹と比べられ、惨めな思いをしていたアンジェリカは、唯一王子の妃に選ばれ、民に尽くすことで生きがいを感じていた。

ところが、そんなアンジェリカをアリエルは決して見逃してくれやしなかったのだ。
アリエルがルイの子供を妊娠した直後、アンジェリカとのお茶会が原因でアリエルが流産してしまった。

「王の血を受け継ぐものを殺したものは、例え誰であろうと処刑する」

そのため、アンジェリカやお茶会の準備をした大事な侍女のコレット、そしてアンジェリカを庇った実の母親が絞首刑となってしまった。
目の前で大切な人の命を奪われたアンジェリカ。とうとう自分の番になった時、アリエルの真の企てに気づいた。

アリエルは自分が正妃になるために、わざと自分で毒を飲んで流産し、アンジェリカが処刑されるように動いたのだった。

真実に気づいたアンジェリカは、その場で叫ぶ。

「あなたなんかにこれ以上、私の命を自由になんかさせない!!」

生きている間は、他人の意のままに操られた。
死ぬ時くらいは、自分の意思で死にたい。
生まれる時には、場所も家族も選べないのだから……!
そう考えたアンジェリカは、自らの舌を噛み切り、自害を選ぶのだった。

ところが、そんなアンジェリカに自らを「神」と名乗る美しい男が手を差し伸べる。

「君には次の神になってもらわないと困る。もう一度生き直して、ちゃんと寿命をまっとうしてきてほしい」
「だが断る」

実は、アンジェリカが自害をしたもう1つの理由は、怨霊となり自分たちを絶望に陥れたアリエル達を呪い殺すことだった……。

「とりあえず、今から無理やりに生き返らせるから、聖女にでもなればいいよ。きっと君の望み以上のことが叶うかもよ」

嫌がるアンジェリカを神が無理やり生き返らせたことで、アンジェリカの人生は王子に嫁ぐ少し前まで戻ってしまった。
こうして、アンジェリカは渋々第2の人生を歩まされることになったのだが、そこでアンジェリカは「あくまで聖女として」大きな第1歩を踏み出していく。

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