「え……?」
曽我部の言葉に裕二も絶句した。自分が知っている慧の姿と声を思い浮かべ、頭の中で何度も考えてみたが、イメージが重ならない。
たしかに慧は男にしておくのは勿体ないくらい綺麗な顔をしている。細身でスタイルもいい。だがちょっと信じられないくらいに強いし、声も身のこなしもどう見ても男だ。女装すれば似合うだろうなとは思うが、それはただそう思うだけで、彼が女に見えるというわけではない。綺麗ではあるが彼は男性だ……そうとしか見えない。
「嘘だ……あり得ないよ」
「あり得ない? なんだお前、あいつが男だって確証でもあるのか? 脱いだとこ見たか?」
「いや、それは……見てない、けど」
「俺は見た」
「本当に……?」
「ああ」
神妙な顔で頷く曽我部は大真面目で、嘘を言っているわけでもなさそうだ。だいたいこんな話、嘘ならすぐにバレる、意味はない。つまり本当ということになる。しかしそれはおかしい。それでは結衣子や紗枝との関係はどうなるのだ?
「そんな……でもじゃあ、結衣子さんは?」
「結衣子は、たぶん知ってる……」
少し強張った表情で曽我部は答える。それ聞いた裕二の顔も事実を拒むかのように強張った。だがやはりあり得ない。
「でも、紗枝さんは……」
そうだ、たしか紗枝は慧を男だと言っていた。結衣子のことをさして、「男二人手玉にとって、笑ってるのだ」と憤っていた。つまり紗枝には慧が男性に見えているということになる。同じ一人の人間が男だったり女だったりするはずはない。どちらかが間違っているということになる。そこを指摘すると曽我部は知るかよと横を向いた。
「小林だろ、あいつは藤宮に夢中だけど、藤宮のほうは相手にしてなかった、ちゃんと話したことあるのかだって怪しい、妄想なんじゃないのか」
「でも……」
「なんだ、じゃあ俺が嘘をついているとでも思うのか? こんな話で嘘言ってなんになる」
それでも信じないというならもう話さないぞと曽我部が睨む。それは困ると思った。彼の話が嘘にしても本当にしてもその言い分だけは聞いておきたい。
気を取り直し、裕二はその先をと促した。慧が男にせよ、女にせよ、それが直接丈一郎殺しに繋がっているわけではない。問題はその先だ。
「わかったよ、じゃあ慧が女性だとして、それをキミが見たのは丈一郎さんのいるホテルに乗り込んだときだよね? そのとき、なにがあったの?」
「なにが……」
問い詰めると曽我部はとても嫌な顔をした。よほど言いたくないらしい。だがここまで来てまた黙られては困る。裕二は執拗に話してくれと迫った。
「言ってくれ、覚悟は出来てるよ、全部知りたいんだ」
「簡単に言うな、お前に何がわかる?」
「わかんないよ、だから聞きたいんだろ」
何度促しても曽我部は喋ろうとしない。仕方なく裕二は、順を追って話そうと提案した。
「じゃあまず、キミが丈一郎さんのいるホテルに行った経緯だ、慧から連絡があったのかい?」
「いや、連絡して来たのは藤宮じゃない」
「え?」
聞かれることに答えるということで少しは気が楽になったのかもしれない。曽我部はポツポツと話し始めた。
夜中、十二時を回った頃の話だ。曽我部の携帯に知らない男から電話が入った。その男は慧が鵜飼丈一郎に落とし入れられ、ホテルへ連れ込まれたと告げた。そして気を失っているようだから早く助けてやれとホテルの場所と部屋番号だけを告げて切った。
丈一郎が小児性愛者であることは曽我部も知っていたし、小児という歳ではないが彼が慧に興味を持っていることも知っていた。だから恐れていたときが来たとすぐに思った。
いくら慧が強くとも意識不明ではどうにもならないだろう。曽我部は取るものもとりあえずと、財布と携帯の他はなにも持たずに外へ出た。時刻も遅かったのでホテルに着いたのは電話があってから一時間以上経ってからだ。電話があったのが連れ込まれた直後だったとしても何も起きていないはずはない。もしも丈一郎が慧を蹂躙する気でいたとしたら、すでに手遅れかもしれない。しかし放っては帰れない。曽我部は気を取り直してホテルに駆け込む。
ラブホテルに男一人で入るというのもおかしな話だし、下手すると受付で止められるかもしれないと思ったが、そこは客と従業員が顔を合わせないように気配られているのだろう、受付は無人だった。入り口には各部屋の内部写真と特徴が書き込まれたパネルがあり、客はそのリストから空いている部屋を選んでボタンを押す。するとその部屋の鍵が提示されるシステムらしい。
たぶん防犯の為だろう、パネル前にはカメラが取り付けてある。なるべく俯いて顔が映らないように注意しながら、曽我部は慧の連れ込まれたとされる部屋の隣を確保した。
そのまま駆け足で部屋へ向かい、その部屋のドアノブに手をかける。
安いラブホテルとはいえ鍵はついている、開くはずがないと思っていた。だが驚いたことにそのドアは呆気なく開いた。どうやら内鍵は手動で開け閉めするシステムのようだ。つまり内鍵は最初からかけられていなかったということになる。
こういうホテルに入って、鍵をかけないということは普通あり得ないが、ついうっかりということもあるだろうとそのときはたいして気に止めなかった。
部屋のドアは二重になっていて、外廊下に続く最初のドアを開けると、一メーターほどの短い中廊下があり、その先に室内へと続く内扉がある。内扉には小窓が付けられていて、そこから客の注文した食事や飲み物などを手渡せるようになっているらしい。とことん顔を見ないで済むシステムのようだ。
普通、従業員が立ち入る中廊下は灯りがついているはずなのだが、電球が切れたのか、なにかの不具合か、そこは暗かった。入り口ロビーから部屋へと続く廊下も薄暗かったのでどこか陰気な感じがする。
あたりを窺いながら内扉に手をかける。そこもあっさり開いた。ふと下を見ると足元になにか細長いモノが転がっている。どうやらそれが引っかかり、ドアが完全に閉まらなかったようだ。なにが落ちてるんだと反射的に拾い上げた。その途端、掌にヌルリとぬめる感触がして背筋に寒気が奔る。
「うわっ」
驚いて取り落とし、再びおずおずと拾い上げると、室内から漏れてくる薄明かりに照らし出されたそれは、太い柄のついたサバイバルナイフだった。幅広の刃には、べっとりと赤い血が染み付いている。
これは誰の血だ? まさか、藤宮の血か?
ふと思い浮かべたその想像に、ドキリとした。頭の中には慧を蹂躙しようとする丈一郎と、必死に抵抗する慧の姿が浮かぶ。
丈一郎の趣味はかなりえげつないと聞いている。攫ってきた子供がどうなったのか、耳にするのもおぞましいと評判だった。
泣き叫ぶ子供を散々に弄び、蹂躙し、犯すだけ犯すと、それだけでは飽き足らず、今度は切り刻み始める。髪、爪、指、顔、腕、足、腹、背、首……見るも無残に切り刻まれた子供の遺体を始末しなければならなくなるのも一度や二度ではなかったらしい。もしも、それを慧にも実行したとしたら……?
床に転がる慧の生首を妄想し、曽我部は慌てて室内に続く扉を開けた。
室内は血塗られていた。中央に大きなベッドがあり、その横には、慧のものと思しき衣類が投げ捨ててある。慧はそのベッドに寝かされていた。気を失っているようだ。
「藤宮!」
幸い丈一郎の姿は見当たらない。どこへ行ったのかはわからないがとにかく慧を助け出すのが先だと曽我部はベッドに近づいて行く。そして彼が生きているのか死んでいるのか、まずそれを確かめようと布団を捲った。
「え……?」
慧は血塗れで、裸だった。
自らの血か、返り血か、白い素肌に点々と赤い血が飛び散り、それがまるで前衛的なアクセサリーのように見える。いつにも増して華奢な肩、細い腰、細い首……そして、そこから続く胸には、緩く滑らかな膨らみがある。
「藤宮……」
そのフォルムはどう見ても未成熟な少女の身体だった。藤宮は女だったのか? そんなバカなと頭を振り、何度も瞬きをしてまた見入る。だが何度見てもその胸には未分化でまだ膨らみきっていない乳房がある。それを確認すると身体中の血が逆流してきた。慌てて裸の慧に布団を被せる。
「そ……んな」
藤宮は女性だった。そう思った途端、身体が熱く火照り、鼓動が高まる。動転し、後ずさった曽我部は、彼の生死を確かめることすら忘れた。
この幼く美しい身体を、丈一郎は犯したのか? 泣いて嫌がる彼女を蹂躙し、放り捨てたのか? 当然と湧き上がる怒りとは裏腹に動悸は治まらず、下腹部が疼く。自然と口の中に溢れた唾液を飲み込んだ。ごくりと喉が鳴り、それが余計に厭らしさを増長させる。
違う、自分はそんなふうに彼を見てない。慧は友人だ、違う……違う。湧き上がる欲望を否定したくて必死で首を振った。
白い肌に幼い乳房。その胸に飛び散る赤い血。そしてその美少女を甚振り犯す獣たち。泣きじゃくり、救いを求めながらも、襲い来る快感に身悶え喘ぐ慧の姿を想像し、股間は痛いほど張った。
「……藤宮」
熱くのぼせ上がった頭は混乱し、曽我部は無意識に一歩を踏み出す。
そしてついにその身体に手をかけそうになったとき、背後から何者かに殴り倒され、気を失った。
曽我部の言葉に裕二も絶句した。自分が知っている慧の姿と声を思い浮かべ、頭の中で何度も考えてみたが、イメージが重ならない。
たしかに慧は男にしておくのは勿体ないくらい綺麗な顔をしている。細身でスタイルもいい。だがちょっと信じられないくらいに強いし、声も身のこなしもどう見ても男だ。女装すれば似合うだろうなとは思うが、それはただそう思うだけで、彼が女に見えるというわけではない。綺麗ではあるが彼は男性だ……そうとしか見えない。
「嘘だ……あり得ないよ」
「あり得ない? なんだお前、あいつが男だって確証でもあるのか? 脱いだとこ見たか?」
「いや、それは……見てない、けど」
「俺は見た」
「本当に……?」
「ああ」
神妙な顔で頷く曽我部は大真面目で、嘘を言っているわけでもなさそうだ。だいたいこんな話、嘘ならすぐにバレる、意味はない。つまり本当ということになる。しかしそれはおかしい。それでは結衣子や紗枝との関係はどうなるのだ?
「そんな……でもじゃあ、結衣子さんは?」
「結衣子は、たぶん知ってる……」
少し強張った表情で曽我部は答える。それ聞いた裕二の顔も事実を拒むかのように強張った。だがやはりあり得ない。
「でも、紗枝さんは……」
そうだ、たしか紗枝は慧を男だと言っていた。結衣子のことをさして、「男二人手玉にとって、笑ってるのだ」と憤っていた。つまり紗枝には慧が男性に見えているということになる。同じ一人の人間が男だったり女だったりするはずはない。どちらかが間違っているということになる。そこを指摘すると曽我部は知るかよと横を向いた。
「小林だろ、あいつは藤宮に夢中だけど、藤宮のほうは相手にしてなかった、ちゃんと話したことあるのかだって怪しい、妄想なんじゃないのか」
「でも……」
「なんだ、じゃあ俺が嘘をついているとでも思うのか? こんな話で嘘言ってなんになる」
それでも信じないというならもう話さないぞと曽我部が睨む。それは困ると思った。彼の話が嘘にしても本当にしてもその言い分だけは聞いておきたい。
気を取り直し、裕二はその先をと促した。慧が男にせよ、女にせよ、それが直接丈一郎殺しに繋がっているわけではない。問題はその先だ。
「わかったよ、じゃあ慧が女性だとして、それをキミが見たのは丈一郎さんのいるホテルに乗り込んだときだよね? そのとき、なにがあったの?」
「なにが……」
問い詰めると曽我部はとても嫌な顔をした。よほど言いたくないらしい。だがここまで来てまた黙られては困る。裕二は執拗に話してくれと迫った。
「言ってくれ、覚悟は出来てるよ、全部知りたいんだ」
「簡単に言うな、お前に何がわかる?」
「わかんないよ、だから聞きたいんだろ」
何度促しても曽我部は喋ろうとしない。仕方なく裕二は、順を追って話そうと提案した。
「じゃあまず、キミが丈一郎さんのいるホテルに行った経緯だ、慧から連絡があったのかい?」
「いや、連絡して来たのは藤宮じゃない」
「え?」
聞かれることに答えるということで少しは気が楽になったのかもしれない。曽我部はポツポツと話し始めた。
夜中、十二時を回った頃の話だ。曽我部の携帯に知らない男から電話が入った。その男は慧が鵜飼丈一郎に落とし入れられ、ホテルへ連れ込まれたと告げた。そして気を失っているようだから早く助けてやれとホテルの場所と部屋番号だけを告げて切った。
丈一郎が小児性愛者であることは曽我部も知っていたし、小児という歳ではないが彼が慧に興味を持っていることも知っていた。だから恐れていたときが来たとすぐに思った。
いくら慧が強くとも意識不明ではどうにもならないだろう。曽我部は取るものもとりあえずと、財布と携帯の他はなにも持たずに外へ出た。時刻も遅かったのでホテルに着いたのは電話があってから一時間以上経ってからだ。電話があったのが連れ込まれた直後だったとしても何も起きていないはずはない。もしも丈一郎が慧を蹂躙する気でいたとしたら、すでに手遅れかもしれない。しかし放っては帰れない。曽我部は気を取り直してホテルに駆け込む。
ラブホテルに男一人で入るというのもおかしな話だし、下手すると受付で止められるかもしれないと思ったが、そこは客と従業員が顔を合わせないように気配られているのだろう、受付は無人だった。入り口には各部屋の内部写真と特徴が書き込まれたパネルがあり、客はそのリストから空いている部屋を選んでボタンを押す。するとその部屋の鍵が提示されるシステムらしい。
たぶん防犯の為だろう、パネル前にはカメラが取り付けてある。なるべく俯いて顔が映らないように注意しながら、曽我部は慧の連れ込まれたとされる部屋の隣を確保した。
そのまま駆け足で部屋へ向かい、その部屋のドアノブに手をかける。
安いラブホテルとはいえ鍵はついている、開くはずがないと思っていた。だが驚いたことにそのドアは呆気なく開いた。どうやら内鍵は手動で開け閉めするシステムのようだ。つまり内鍵は最初からかけられていなかったということになる。
こういうホテルに入って、鍵をかけないということは普通あり得ないが、ついうっかりということもあるだろうとそのときはたいして気に止めなかった。
部屋のドアは二重になっていて、外廊下に続く最初のドアを開けると、一メーターほどの短い中廊下があり、その先に室内へと続く内扉がある。内扉には小窓が付けられていて、そこから客の注文した食事や飲み物などを手渡せるようになっているらしい。とことん顔を見ないで済むシステムのようだ。
普通、従業員が立ち入る中廊下は灯りがついているはずなのだが、電球が切れたのか、なにかの不具合か、そこは暗かった。入り口ロビーから部屋へと続く廊下も薄暗かったのでどこか陰気な感じがする。
あたりを窺いながら内扉に手をかける。そこもあっさり開いた。ふと下を見ると足元になにか細長いモノが転がっている。どうやらそれが引っかかり、ドアが完全に閉まらなかったようだ。なにが落ちてるんだと反射的に拾い上げた。その途端、掌にヌルリとぬめる感触がして背筋に寒気が奔る。
「うわっ」
驚いて取り落とし、再びおずおずと拾い上げると、室内から漏れてくる薄明かりに照らし出されたそれは、太い柄のついたサバイバルナイフだった。幅広の刃には、べっとりと赤い血が染み付いている。
これは誰の血だ? まさか、藤宮の血か?
ふと思い浮かべたその想像に、ドキリとした。頭の中には慧を蹂躙しようとする丈一郎と、必死に抵抗する慧の姿が浮かぶ。
丈一郎の趣味はかなりえげつないと聞いている。攫ってきた子供がどうなったのか、耳にするのもおぞましいと評判だった。
泣き叫ぶ子供を散々に弄び、蹂躙し、犯すだけ犯すと、それだけでは飽き足らず、今度は切り刻み始める。髪、爪、指、顔、腕、足、腹、背、首……見るも無残に切り刻まれた子供の遺体を始末しなければならなくなるのも一度や二度ではなかったらしい。もしも、それを慧にも実行したとしたら……?
床に転がる慧の生首を妄想し、曽我部は慌てて室内に続く扉を開けた。
室内は血塗られていた。中央に大きなベッドがあり、その横には、慧のものと思しき衣類が投げ捨ててある。慧はそのベッドに寝かされていた。気を失っているようだ。
「藤宮!」
幸い丈一郎の姿は見当たらない。どこへ行ったのかはわからないがとにかく慧を助け出すのが先だと曽我部はベッドに近づいて行く。そして彼が生きているのか死んでいるのか、まずそれを確かめようと布団を捲った。
「え……?」
慧は血塗れで、裸だった。
自らの血か、返り血か、白い素肌に点々と赤い血が飛び散り、それがまるで前衛的なアクセサリーのように見える。いつにも増して華奢な肩、細い腰、細い首……そして、そこから続く胸には、緩く滑らかな膨らみがある。
「藤宮……」
そのフォルムはどう見ても未成熟な少女の身体だった。藤宮は女だったのか? そんなバカなと頭を振り、何度も瞬きをしてまた見入る。だが何度見てもその胸には未分化でまだ膨らみきっていない乳房がある。それを確認すると身体中の血が逆流してきた。慌てて裸の慧に布団を被せる。
「そ……んな」
藤宮は女性だった。そう思った途端、身体が熱く火照り、鼓動が高まる。動転し、後ずさった曽我部は、彼の生死を確かめることすら忘れた。
この幼く美しい身体を、丈一郎は犯したのか? 泣いて嫌がる彼女を蹂躙し、放り捨てたのか? 当然と湧き上がる怒りとは裏腹に動悸は治まらず、下腹部が疼く。自然と口の中に溢れた唾液を飲み込んだ。ごくりと喉が鳴り、それが余計に厭らしさを増長させる。
違う、自分はそんなふうに彼を見てない。慧は友人だ、違う……違う。湧き上がる欲望を否定したくて必死で首を振った。
白い肌に幼い乳房。その胸に飛び散る赤い血。そしてその美少女を甚振り犯す獣たち。泣きじゃくり、救いを求めながらも、襲い来る快感に身悶え喘ぐ慧の姿を想像し、股間は痛いほど張った。
「……藤宮」
熱くのぼせ上がった頭は混乱し、曽我部は無意識に一歩を踏み出す。
そしてついにその身体に手をかけそうになったとき、背後から何者かに殴り倒され、気を失った。