正志の住む土地には、海龍伝説があった。
海の果てにあるという龍宮。そこに棲む海龍には、美しい娘がいた。娘はおてんばで、父である海龍の言いつけも聞かず、ちょくちょく人の地に遊びに行った。そしてそこで一人の男と出会い、恋をする。それを知った海龍は娘を連れ戻し、宮に閉じ込めようとした。だがその時既に娘は、その男との子を宿していた。海龍は怒り狂い、娘は神の座を下ろされる。
男を愛していた娘は、人に落とされたことを悔やむことはなかった。ただ男に会いたい。それだけを考えて走る。だが、行き着いたとき、男は既に死んでいた。神の子を汚した罪を負い、父神、海龍に命を絶たれたのだ。
娘は恋人の死を嘆いた娘は、男との子供を産んだのち、その地に果てた。そしてその子がこの地の祖になった。それがこの土地に伝わる海龍伝説と、ここに住む人々の祖先の話だ。
それは所詮伝説、昔話であり、現実にはあり得ない。だが、あのときのユキには、その伝説を肯定していいような気にさせるなにかがあった。
「は、まさかな……」
馬鹿馬鹿しい、これは妄想だ、気の迷いに違いない。首を振り、自分を納得させた正志は、それでも恐れからか、しばらくは故意に彼女のことを考えないよう、意識の外においた。
再びユキの元を訪れたのは、彼女が入院してから二日後のことだ。
だがそこに、ユキの姿はなかった。
「え、いない?」
産院の受付でユキの所在を訊ねると、事務員らしい女性は、そんな患者はいないと答えた。では転院でもしたのかと訊ねたが、それも違うと首をふる。最初から、そんな女性はいなかったと言うのだ。しかしあの夜、彼女は入院した、たしかにここだ。
「すいません、自分で探します!」
「えっ?」
困りますと引き止める事務員を振り切り、正志は産院内へと入り込んだ。ユキが入院した部屋は覚えている、彼女はいるはずだ。
だが勇んで駆け込んだその部屋にも、ユキはいなかった。ベッドは綺麗にメイキングされていて、人のいた気配さえない。まるで彼女が存在していなかったかのようだ。
青く揺らめく炎を吹き上げながら、出て行けと自分を睨んだ、あの夜のユキを思いだし、頭の中が真っ白になる。
最初から彼女はいなかったのか?
では自分はいったい誰と数日間を過ごしていたのだろう?
まさか、本当に……?
自分は、人ではないなにかと過ごしていたのかもしれない。そんな思いに、鳥肌が立った。しかし、よくよく考えてみれば、そんなはずはない。彼女の存在は母も妹も知っている。うちの貸家に住んでいたのだ、存在しないわけがない。では、どこへ行ったのだ?
焦りはやがて怒りに変わろうとしていた。彼女を出せと怒鳴りたくなる。こうなったら、手当たり次第に部屋を開けてみるしかない。そう決め込み、他の部屋を目指した。だがそのとき、背後からグイと肩を掴まれ、立ち止まる。
何者だと振り向くと、そこには見たことのない男が立っていた。
「ここをどこや思うとる、他の患者に迷惑やで」
「え……あ、あなたは?」
正志を止めた男は、そう大柄ではないのに、妙な迫力があった。
長い黒髪は、鴉の濡れ羽色、生成りの作務衣に身を包み、鋭い目つきのわりに意外と細い肩が、逆に男っぽく見える。なにもしていないのに、近寄られると逃げ出したくなるような威圧感だ。ユキを見つけられるまで居座り、産院中探し回るつもりだったのに、ごめんなさいとひれ伏したくなった。
「まあええ、ちっとこっち来」
「え、ぁ、はい……」
先に立って歩く男の後を追いながら、正志は彼女を知ってるんですねと訊ねた。だが男は口を濁し、明確には答えない。仕方なく少し後ろから黙ってついて行く。
歩きながら横にいる男を見つめた。その横顔は最初の印象とは違い、凛してと気高く、美しく映る。
ユキに似ている? ふとそんな気がして視線を下げた。
そして、あの海龍伝説に、別ヴァージョンがあるのを思い出した。
父神である海龍王は、娘が人間の男との子を宿したことに怒り、彼女に罰を与えた。それは、愛する男の子供を生み落としたとき、女でいられなくなるというものだ。
最愛の男の子供を生んだ瞬間、娘は男に変わってしまう。愛する我が子を抱くことも、愛しい夫と生きることも出来ず、女の心を持ったまま男として生きていかなければならなくなる。それが嫌なら今すぐに、人間の男との子どもなど殺してしまえと言われた娘は、そんなことは出来ないと首を振り、父神の元から逃げた。
愛する男を護るため、愛しい人の子を生むため、娘は自ら孤独を選んだのだ。
彼や子供に、二度と会えなくてもいい、ただ無事でさえいてくれれば……それだけの思いで、娘は男との子を生み、消えた。そして残された男と、生み落とされた子供は、海龍王とその娘の加護を受け、この地に繁栄していった…………それがこの地に残る、海龍伝説の別ヴァージョンだ。
出産を機に、女が男に変わる。普通はそんなことあり得ない。だが、自然界で考えれば、そうあり得ない話でもなかった。
陸上生物では植物くらいしか発見されてはいないが、魚類には、産卵後にメスがオスに変わる種類がけっこういる。理由や原理はともかく、一概に夢物語と片付けることも出来ないのかもしれない。
正志がそんなとりとめもない、妄想のような考えを巡らせていると、先を歩く男が立ち止まった。男は、正志に背を向けたまま、静かな声でゆっくりと、少し躊躇いがちに話しだした。
「最初に礼を言っておく、正志さん、あんたのお陰で、無事、ことは成った、ありがとう」
「え?」
「ユキを、ここまで連れてきてくれたこと、彼女を支えてくれたことに感謝する」
「あの……」
あなたは、誰ですか? そう訊ねようとしたとき、彼は目の前の扉を開けた。
「あ……」
部屋の中には、まだ生まれて幾日も経っていないだろう赤ん坊が、二人、眠っていた。
白く塗られた木造りの優雅なベビーベッドに、白いシーツが敷き詰められ、純白で柔らかそうな羽毛布団がフワリとかけられてある。その中に、綺麗な顔をした赤ん坊が二人……。
二人のひたいには、レースのついた白い布が巻かれ、大切にされていることがわかる。
「え、この赤ん坊は?」
最後に会ったとき、ユキのお腹はさほど目立ってはいなかった……というより、妊娠中とも思えないくらい、スリムに見えた。だからあの夜の腹痛も、陣痛とは思わなかったし、今日だって、ただ様子を見に来ただけで、まさか出産しているとは考えていなかった。が、この場で引き合わされる子供が、彼女に関係ないわけがない。恐る恐る訊ねると、男は言葉にはしなかったが、僅かに頷いた。
「この子らが無事生まれたのも、あんたのお陰や、ありがとう」
「え、いや、そ……ぇ? ユキさんは?」
子供はわかった、だがでは、ユキはどこへ行ったんだと訊ねると、男は少し寂しそうな優しい瞳で静かに笑った。射るように強く鋭かった視線が、淡く滲み、形を変える。ドキリとした。
まさか……?
「ユキは、もうおらん……すまんな」
「ちょっと待ってください! おらんって、どういう意味ですか? 彼女はどこに行ったんです?」
嫌な予感に怯え、ムキになって訊ね返した。その問いに、彼は答えず、落ちてくる前髪をかき上げながら視線を逸らした。その仕草が、あの夜のユキに重なって見えた。
まさか……まさか。
「あなたは、誰ですか?」
震える声で訊ねても、彼はなにも答えなかった。ただありがとうと礼を言い、赤ん坊も自分も、まだ休みたいので、今日は帰ってくれないかと話した。正志はそれに殆ど無意識に頷き、そのままふらふらと歩き出す。
背中に、優しく真っ直ぐな声が聞えた。
「正志さん、あなたも早くお帰りなさい、そしてあなたの帰りを待ってる女《ひと》に、あの料理を食べさせてあげてください」
「え?」
ユキの声だ。
そう聞こえ、思わず振り向いた正志に、男はゆっくりと背を向ける。黙って部屋の中へ消えていく人を見つめ、目頭が熱くなった。ありがとうと言わなければならないのは、自分のほうかもしれないと思った。
***
――数日後、再び訪れた産院に、ユキもあの男も、双子の赤ん坊もいなかった。
それから正志は東京へ戻り、冷たく突き放して来た恋人、津子に会った。
放って行ってすまなかったと謝り、こんな自分でも懲りずに付き合ってくれるかと訊ねると、津子は嬉しそうに、はいと答えた。
ユキに教わった品々を作り、彼女はそれを凄く美味しいと喜ぶ。大げさだよと照れる正志に、津子は、味もさることながら、その気持ちが嬉しいのだと、言って泣いた。幸せだと、思った。
自分は自信がなかったのだ。彼女を娶り、その子を育て、二人を幸せにしてやれる自信が、なかった。今だってあるわけではない。だが、少しだけ、努力してみようと思えた。
ユキが何者で、あの男が誰だったのかはわからない。まさか本当に海龍の娘だったというわけではないだろうが、そうなると余計にわからない。もちろん、調べようと思えば調べられるのかもしれない。しかし正志は追及やめた。
彼女はただ一時、自分の心に住んだ人だ。そして、全てを浄化してくれた。
今はただ、自分の作った料理に涙を流し、世界一美味しいと言ってくれる女を、幸せにしてやりたいと心から思えた。
終。
海の果てにあるという龍宮。そこに棲む海龍には、美しい娘がいた。娘はおてんばで、父である海龍の言いつけも聞かず、ちょくちょく人の地に遊びに行った。そしてそこで一人の男と出会い、恋をする。それを知った海龍は娘を連れ戻し、宮に閉じ込めようとした。だがその時既に娘は、その男との子を宿していた。海龍は怒り狂い、娘は神の座を下ろされる。
男を愛していた娘は、人に落とされたことを悔やむことはなかった。ただ男に会いたい。それだけを考えて走る。だが、行き着いたとき、男は既に死んでいた。神の子を汚した罪を負い、父神、海龍に命を絶たれたのだ。
娘は恋人の死を嘆いた娘は、男との子供を産んだのち、その地に果てた。そしてその子がこの地の祖になった。それがこの土地に伝わる海龍伝説と、ここに住む人々の祖先の話だ。
それは所詮伝説、昔話であり、現実にはあり得ない。だが、あのときのユキには、その伝説を肯定していいような気にさせるなにかがあった。
「は、まさかな……」
馬鹿馬鹿しい、これは妄想だ、気の迷いに違いない。首を振り、自分を納得させた正志は、それでも恐れからか、しばらくは故意に彼女のことを考えないよう、意識の外においた。
再びユキの元を訪れたのは、彼女が入院してから二日後のことだ。
だがそこに、ユキの姿はなかった。
「え、いない?」
産院の受付でユキの所在を訊ねると、事務員らしい女性は、そんな患者はいないと答えた。では転院でもしたのかと訊ねたが、それも違うと首をふる。最初から、そんな女性はいなかったと言うのだ。しかしあの夜、彼女は入院した、たしかにここだ。
「すいません、自分で探します!」
「えっ?」
困りますと引き止める事務員を振り切り、正志は産院内へと入り込んだ。ユキが入院した部屋は覚えている、彼女はいるはずだ。
だが勇んで駆け込んだその部屋にも、ユキはいなかった。ベッドは綺麗にメイキングされていて、人のいた気配さえない。まるで彼女が存在していなかったかのようだ。
青く揺らめく炎を吹き上げながら、出て行けと自分を睨んだ、あの夜のユキを思いだし、頭の中が真っ白になる。
最初から彼女はいなかったのか?
では自分はいったい誰と数日間を過ごしていたのだろう?
まさか、本当に……?
自分は、人ではないなにかと過ごしていたのかもしれない。そんな思いに、鳥肌が立った。しかし、よくよく考えてみれば、そんなはずはない。彼女の存在は母も妹も知っている。うちの貸家に住んでいたのだ、存在しないわけがない。では、どこへ行ったのだ?
焦りはやがて怒りに変わろうとしていた。彼女を出せと怒鳴りたくなる。こうなったら、手当たり次第に部屋を開けてみるしかない。そう決め込み、他の部屋を目指した。だがそのとき、背後からグイと肩を掴まれ、立ち止まる。
何者だと振り向くと、そこには見たことのない男が立っていた。
「ここをどこや思うとる、他の患者に迷惑やで」
「え……あ、あなたは?」
正志を止めた男は、そう大柄ではないのに、妙な迫力があった。
長い黒髪は、鴉の濡れ羽色、生成りの作務衣に身を包み、鋭い目つきのわりに意外と細い肩が、逆に男っぽく見える。なにもしていないのに、近寄られると逃げ出したくなるような威圧感だ。ユキを見つけられるまで居座り、産院中探し回るつもりだったのに、ごめんなさいとひれ伏したくなった。
「まあええ、ちっとこっち来」
「え、ぁ、はい……」
先に立って歩く男の後を追いながら、正志は彼女を知ってるんですねと訊ねた。だが男は口を濁し、明確には答えない。仕方なく少し後ろから黙ってついて行く。
歩きながら横にいる男を見つめた。その横顔は最初の印象とは違い、凛してと気高く、美しく映る。
ユキに似ている? ふとそんな気がして視線を下げた。
そして、あの海龍伝説に、別ヴァージョンがあるのを思い出した。
父神である海龍王は、娘が人間の男との子を宿したことに怒り、彼女に罰を与えた。それは、愛する男の子供を生み落としたとき、女でいられなくなるというものだ。
最愛の男の子供を生んだ瞬間、娘は男に変わってしまう。愛する我が子を抱くことも、愛しい夫と生きることも出来ず、女の心を持ったまま男として生きていかなければならなくなる。それが嫌なら今すぐに、人間の男との子どもなど殺してしまえと言われた娘は、そんなことは出来ないと首を振り、父神の元から逃げた。
愛する男を護るため、愛しい人の子を生むため、娘は自ら孤独を選んだのだ。
彼や子供に、二度と会えなくてもいい、ただ無事でさえいてくれれば……それだけの思いで、娘は男との子を生み、消えた。そして残された男と、生み落とされた子供は、海龍王とその娘の加護を受け、この地に繁栄していった…………それがこの地に残る、海龍伝説の別ヴァージョンだ。
出産を機に、女が男に変わる。普通はそんなことあり得ない。だが、自然界で考えれば、そうあり得ない話でもなかった。
陸上生物では植物くらいしか発見されてはいないが、魚類には、産卵後にメスがオスに変わる種類がけっこういる。理由や原理はともかく、一概に夢物語と片付けることも出来ないのかもしれない。
正志がそんなとりとめもない、妄想のような考えを巡らせていると、先を歩く男が立ち止まった。男は、正志に背を向けたまま、静かな声でゆっくりと、少し躊躇いがちに話しだした。
「最初に礼を言っておく、正志さん、あんたのお陰で、無事、ことは成った、ありがとう」
「え?」
「ユキを、ここまで連れてきてくれたこと、彼女を支えてくれたことに感謝する」
「あの……」
あなたは、誰ですか? そう訊ねようとしたとき、彼は目の前の扉を開けた。
「あ……」
部屋の中には、まだ生まれて幾日も経っていないだろう赤ん坊が、二人、眠っていた。
白く塗られた木造りの優雅なベビーベッドに、白いシーツが敷き詰められ、純白で柔らかそうな羽毛布団がフワリとかけられてある。その中に、綺麗な顔をした赤ん坊が二人……。
二人のひたいには、レースのついた白い布が巻かれ、大切にされていることがわかる。
「え、この赤ん坊は?」
最後に会ったとき、ユキのお腹はさほど目立ってはいなかった……というより、妊娠中とも思えないくらい、スリムに見えた。だからあの夜の腹痛も、陣痛とは思わなかったし、今日だって、ただ様子を見に来ただけで、まさか出産しているとは考えていなかった。が、この場で引き合わされる子供が、彼女に関係ないわけがない。恐る恐る訊ねると、男は言葉にはしなかったが、僅かに頷いた。
「この子らが無事生まれたのも、あんたのお陰や、ありがとう」
「え、いや、そ……ぇ? ユキさんは?」
子供はわかった、だがでは、ユキはどこへ行ったんだと訊ねると、男は少し寂しそうな優しい瞳で静かに笑った。射るように強く鋭かった視線が、淡く滲み、形を変える。ドキリとした。
まさか……?
「ユキは、もうおらん……すまんな」
「ちょっと待ってください! おらんって、どういう意味ですか? 彼女はどこに行ったんです?」
嫌な予感に怯え、ムキになって訊ね返した。その問いに、彼は答えず、落ちてくる前髪をかき上げながら視線を逸らした。その仕草が、あの夜のユキに重なって見えた。
まさか……まさか。
「あなたは、誰ですか?」
震える声で訊ねても、彼はなにも答えなかった。ただありがとうと礼を言い、赤ん坊も自分も、まだ休みたいので、今日は帰ってくれないかと話した。正志はそれに殆ど無意識に頷き、そのままふらふらと歩き出す。
背中に、優しく真っ直ぐな声が聞えた。
「正志さん、あなたも早くお帰りなさい、そしてあなたの帰りを待ってる女《ひと》に、あの料理を食べさせてあげてください」
「え?」
ユキの声だ。
そう聞こえ、思わず振り向いた正志に、男はゆっくりと背を向ける。黙って部屋の中へ消えていく人を見つめ、目頭が熱くなった。ありがとうと言わなければならないのは、自分のほうかもしれないと思った。
***
――数日後、再び訪れた産院に、ユキもあの男も、双子の赤ん坊もいなかった。
それから正志は東京へ戻り、冷たく突き放して来た恋人、津子に会った。
放って行ってすまなかったと謝り、こんな自分でも懲りずに付き合ってくれるかと訊ねると、津子は嬉しそうに、はいと答えた。
ユキに教わった品々を作り、彼女はそれを凄く美味しいと喜ぶ。大げさだよと照れる正志に、津子は、味もさることながら、その気持ちが嬉しいのだと、言って泣いた。幸せだと、思った。
自分は自信がなかったのだ。彼女を娶り、その子を育て、二人を幸せにしてやれる自信が、なかった。今だってあるわけではない。だが、少しだけ、努力してみようと思えた。
ユキが何者で、あの男が誰だったのかはわからない。まさか本当に海龍の娘だったというわけではないだろうが、そうなると余計にわからない。もちろん、調べようと思えば調べられるのかもしれない。しかし正志は追及やめた。
彼女はただ一時、自分の心に住んだ人だ。そして、全てを浄化してくれた。
今はただ、自分の作った料理に涙を流し、世界一美味しいと言ってくれる女を、幸せにしてやりたいと心から思えた。
終。



