高校を卒業して間もなく、僕たちは別れた。
 正確に言えば、死別した。交通事故であっけなく、言葉を残す間もなく。

 運転手が仕事のメールを脇見していたと、後から聞いた。
『時間がなかったんです』





 彼女は今でも僕の綴る虹を読んでくれるだろうか?
 僕の描くいびつなタヌキで笑ってくれるだろうか?


 引き出しの中の少し変色したパステルカラーの可愛いノート。
 いつもその表紙は僕に語りかけてくる。

『ダイチくん、交換日記、しよっ!』