「他に委員長を希望する人はいませんか?」

 もちろん、いなかった。誰だってこの場で委員長を希望しようとは思わないだろう。

 そのことも最初っからわかっていたように、司会者は話題を次へと進めた。

「それでは、委員長は三年一組の小神忠作くんに決定しましょう。次に、副委員長ですが、例年だと委員長のクラス以外の方に副委員長をお任せすることになっています。そのため、一組以外のクラスの三年生の中から、副委員長を選びたいのですが、誰か希望する人はいませんか?」

 この問いかけにすぐに応じる者がいなかったのは当然のことと言ってもいいだろう。

 変人として我が校で高名な小神と、誰が委員幹部コンビを組みたいなんて思うだろうか。

 何をしようにもああだのこうだの難癖をいちいちつけられるに決まっている。