だがしかし、立ち向かう相手が勉強のこととなると話がちょっと違う。

 これは強敵だ……こう言ってしまうと、わたしが勉強が苦手なのがモロバレしてしまうのだけれど。

 こういうとき――そう、まさしくこういうときこそ、小神なんかがいればきっと的確なアドバイスをくれるんだろうな、とついつい思ってしまう。憎たらしい男ではあるが、頭がいいことは確かで、助言の的確さは期待できそうだ。

 でも頼りたくないなあ、なんて頭のどこかでは思ってしまうんだけれど。

 そんな矛盾した二つの思いと、どちらのテキストを買うべきかでわたしが頭を抱えているときだった。

 ふと背後に、人の気配を感じた。

「星野?」