左右を見れば、立ち読みする高校生がちらほらいる。わたしの高校の制服の者もいれば、他校の制服の者もいるこんな光景を見ると、やっぱりこの近辺は学園都市なのだなあとつくづく実感するものだ。

 わたしは書棚をざっと眺める。とにかく今早急に対策せねばならない科目は数学だ。文系の大敵・数学を攻略しなければならない。常に赤点ギリギリという低迷の仕方なのだから。

 そこでわたしははっとなる。

 一年生の復習のために数学ⅠAの参考書を買うべきか、それとも二年生の予習や授業のために数学ⅡBを買うべきなのか。

「どっちだ……」

 一人、頭を抱える。

 わたしは結構、選択を迫られたときにスパッと自分の思うままに決断をしてしまうタイプである。

 昼食のメニューなんかでも悩んだためしがない。

 自分が決めたことについて後から他人にあれやこれやとアドバイスや反対意見を出されても、そこで意見を曲げたことはほとんどないと言っても過言ではない。

 悪くいえば頑固なのである。