二人が駅前の塾を覗きに行くと言うので、普段よりも学校に近い地点でわたしたちは別れた。

 二人の後ろ姿が見えなくなってから、わたしはため息を漏らした。

「わたしも受験、少しは意識した方がいいことはいいよね……」

 家庭教師や塾に頼るのはもう少し後でいい。家計に負担、かかるしね。

 あと、小神に頼るのも却下だ。あの男と長時間一緒だなんて、まっぴら御免。

 となると、まずは、

「参考書、かな?」

 わたしはそう思い立ち、本屋へと進路を変える。結果的に家とは逆方向、駅の方角へと向かうことになった。大きな書店は、家の周囲にはない。