それから続けて出された近隣の野球学校の名の数々に、わたしは目をまるくさせるばかりだった。
 さして野球に興味のない女子高校生であっても、この県内に住む限り名を聞かずには生きていけないほどの名門校ばかりではないか。

「それ、本当なの?」

 正直びっくりしてしまう。
 尾ひれが付いているのかどうか、わたしには判断しかねるところだが、その話が事実だとすると、ものすごいことではないか。
 まさか彼が甲子園級の実力者だったとは。
 ただの平凡な中学や高校で四番を務めているのとは、わけが違うようだ。