いや、直接わたしの欠点を言ってもらえるのはすっごくありがたいんだけど……遠慮がちっともない。

「ん、かおる何か言った?」

「いえ何でもないです……」

 わたし、へこみますよ……。

 二人はそれから話題をまたたく間に元に戻した。ものすごい切り替えのよさだった。きっと本番の入試でもその切り替えの速さは活かされることでしょうね。

「松本くんの噂って、いろいろあるよねえ」

 二人はうんうん、と頷きながら弁当のおかずを頬張る。

「あるね。中学卒業する前に、いくつか甲子園常連校からスカウトがあったけど蹴った、だとかね。それも学費免除っていう条件出されたらしいのに、だよ。わたしならそっちに行っちゃうけどなあ」