「ええ。それは全くもって新しい夢でした」

 川の向こう岸をそれまでじっと飽かず見つめていた小神は、突如、視線をわたしにやった。

 じっとわたしの目を注視し、瞬きすらしない。

 その視線の意図が分からず、わたしは戸惑う。というか、正直こんなに見つめられて気まずい。

 わたしが目を逸らそうとした直前、小神が口を開いた。

「それは、あなたの出て来る夢だったんです」

「――わたしが?」

 思わぬ返答。

 それまで野球の夢ばかり見続けていた松本くんが、ある日を境に突然わたしの出て来る夢を見た。
 
 それは合点のいかぬ答えだった。いや、不自然で理にかなわない予想外の答えといった方がいいかもしれない。

 何を隠そう、わたしと彼は――