「……と、そこで夢は終わります」

「わたしが見た夢と全く一緒ですね、数学が解けるかどうかという点以外は! それにしたってさりげなく数学が得意ってことアピールするのがお上手ですね!」

 夢の細部まで同じな分、ややいらいらする。

 わたしがからきし解けなくて松本くんがさっさと解く様子がすごいとすら思ったのに、その松本くんの鉛筆さえも遅く感じるだなんて!

「いえ、私はこれでも数学は苦手な方です。
 化学が大の得意で、数学など大した力はありません。
 ただ、去年学習した範囲だったから解けただけです」

「ああ、そうですか!」

 小神が悪気の欠片もなく正直に答えている点が、なおのこと腹が立つ。そこで少しでも気を遣った返答をしてくれればいいものを!

「話を戻してもいいですか」

「どーぞどーぞ」