きらめきのなかできみは消える
青春・恋愛
完
4
- 作品番号
- 1555615
- 最終更新
- 2024/09/19
- 総文字数
- 110,365
- ページ数
- 46ページ
- ステータス
- 完結
- いいね数
- 4
- ランクイン履歴
-
青春・恋愛46位(2024/09/16)
- ランクイン履歴
-
青春・恋愛46位(2024/09/16)
きみの最後のかくしごと
この作品のレビュー
“特別な感情は、言えないからこそ特別” そんな特別を閉じ込めたナツノちゃんの思い出は美しいけれど、水の中で呼吸をしているかのように苦しくもありました。 思い出と共に変わらずにありたい、特別以外はどうでもいい。そうやって水面に波風立てず隠し続けてもよかったのかもしれない。それでも、と手を伸ばした彼らの秘めた想いにどうしようもなく胸が熱くなります。 そして(全員を公平に見守りつつ)スミくんの魅力には抗えません。『傷つかないで欲しい』の意味、《どうでもいい》という言葉の使い方、初めて怒りを見せたタイミング、予想外でずるくて、こんな彼だからこそ、と読了したときに改めて愛おしく思えました。 かけがえのない一瞬の切り取り方が本当に繊細で美しくて、その中でも一際きらめく決して見逃せない瞬間がこの物語にはあります。痛くて愛おしい彼らの恋とかくしごと、ぜひみなさんにも見届けていただきたいです。
この作品の感想ノート
洋梨ちゃん
このサイトで感想ノートに書き込みするの はじめてでどきどきしています。まずは、完結ほんとうにおめでとう(!♥)はじめの部分がノベマで公開されて、また読めるの?!と高揚感のもとで一文一文を大切に読んで、あとは完結するまでとっておいていました。でも、プールのはしからはしまですいすい美しく泳いでゆくようになめらかに完結していて、いま読み終えたあと、執筆の速度までこの物語にふさわしいなあ 洋梨ちゃんすごいなあ とうっとりしつつ余韻に浸っています。
きらめきのなかできみは消える、まずタイトルも章タイトルもすごくすごくすきです。タイトルのね、ひらがなとしてなめらかに柔らかに流れていったものが最後、しっかりとした輪郭をもって消えてゆく、この物語にぴったりだなあと思った。
ナツノがハルカに語りかけるような描写ではいつも涙ぐんでしまった、だいすきポイントでした。”気持ちは変化しないのに、身体や環境だけが、私たちを置いて変わっていくんだよ。大人になりたいだなんて誰も望んでいないのに、わたしたちはこうして歳をとっていくんだよ”のところとか。ナツノとシュンの関係もすごくすごくよくて、シュンもナツノとはべつの苦しい物語があって、でもそのふたりの苦しさとか、それでも生きていくのだという眩い光のエネルギーが、なんだろう43ページの「煌めき」と44ページに集約されているなあと感じて、このあたりはぼろぼろ泣きながら読んだよ、最高の最高のクライマックスだった。最後のシュンの一言のこと、わたし、彼の表情と一緒に浮かんだの、ずっと忘れないと思う。
恋は瞬間で愛は忍耐なのかなあと思っているのだけど、まさにスミは「恋愛」をしていて、ナツノに対するスミの優しさ―忍耐のほうに、何度も何度もぐっときていた。そして恋に落ちる「瞬間」の洋梨ちゃんの描写が、本当に本当に好き、その構成もすごい、もう宝石、一生ついていく!(個人的にはシュンがタイプで今後かれが誰かに惹かれるとしたらその行方ははたしてと空気も読まず妄想も膨らみまくってました)
洋梨ちゃんの物語は、散りばめられた情景描写もきれいで五感で読めるからだいすき。もう文字数に達してしまいそうで、まだ全然言い足りないよ え~…という感じなのだけど、とにかくまた小説を書いてくれて本当にありがとう。この物語が読めたことが、本当に本当に幸せです。
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