◎あとがき
※以下、ネタバレ含みますので
 物語を読み終えてからの閲覧を推奨いたします。


初めましての方もお久しぶりですの方もこんにちは。
洋梨です。(野々原苺、の方が馴染みがあるかも)久しぶりの長編完結でソワソワしています。

なんと、この物語を完結させるのに6年もかかってしまいました。(と言いつつ、導入以外は殆どこの1ヶ月で書き上げました笑)野いちごの方で何年も序盤のみ公開していたので、待っていてくださった方がもしいらっしゃったら、本当にごめんなさい。お待たせしました。

さて、久しぶりの長編いかがでしたでしょうか。
ナツノ、ちょっと共感しにくいキャラだったかもしれません。

ジェンダーについて語ったり、ましてや物語に組み込むことは、正直葛藤もあるのですが。ナツノと似た恋愛をしている友人を見て、逆に葛藤を覚えている方が失礼だな、と思ったのがきっかけで、この物語を書きました。

普段の恋愛対象は異性だけれど、ひとりだけ同性で好きになったことがある。逆も然り。恋愛のかたちは人それぞれなんだなあと思った記憶があります。私が述べるのはそれぐらい。

ただ、わたしも、読んでくれたあなたもそうですが。恋愛小説というカテゴリーにおいて、”ナツノはシュンが好きだったのではないか?”という、異性愛の固定概念で中盤まで読んではいなかったでしょうか?(これは、もちろん、私ができるだけミスリードを散りばめたせいもありますが笑)
ナツノが恋愛対象に思っていたのはハルカの方だと、スミに打ち明けるまで気づかなかった方もいるのではないかと思うのです。(もちろん、そういった固定概念を否定しているわけではないです。ただ、多角的な見方もあるよ、とうことを、伝えたかったのです)

ナツノやわたしの友人は、同性が好きなことを人に言うか否か迷っていたけれど、恋愛感情自体は当たり前でもあるし、恋心を言うことに葛藤すら覚えない人もいると思います。感情はぜんぶ人それぞれなので、迷っても、そうじゃなくても、それでいいと思います。

ただ、自分のことを当たり前だと思わないことは、いつでも大切にしたい価値観です。

大切な恋を過去にするまでが描きたかったのですが、恋愛小説になったかな? と若干不安ではあります。恋愛小説って難しいね(笑)ナツノとスミのことは、またいつかどこかで書こうかな。(いつか……)シュンのことも書きたいです。(いつか……)

さて、長々読んでいただきありがとうございました。
最後になりますが、ナツノとシュン、それからスミのことを最後まで見届けてくださって、本当に感謝してもしきれません。こうしてまた物語を紡ぎ、だれかひとりにでも読んでいただけることが何より嬉しいです。

誰かの眠れない夜に寄り添えるお話であれたらいいなと願います。


2024.09.08 洋梨(野々原 苺)