────それはあまりに眩しかった。
白い太陽光が突き刺し、蝉の声はうるさかった。窓を開けた瞬間飛び込んで来た眩い光と夏の音に目がくらみ瞳を閉じる。おそるおそる次に瞼を開いたとき、思わずシャッターを切っていた。
反射的だった。その瞬間を逃してはならないと誰かがどこかで言った気がした。
宙を舞ったその影が大きな水しぶきをあげてきらきらとひかる煌めきの中に消えていった。ほんの一瞬のことだ。瞬きをしていたらその姿を目に捉えることなんてできなかっただろう。
心臓がどくどくと音を立てているのがわかった。シャッターを切ったカメラを下すことなく、カメラレンズ越しに颯爽と水の中を泳いで行くその姿を見ていた。
うつくしかった。────とても、きれいだった。
この世に写真に残せないものがあるのだと初めて知った。
─────17の夏。
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