「ていうか、お前の場合、先生から変更の話を聞いてたのに、うっかり間違いで学校に来たんだろ? 俺と姫野と同じにするなよ」
「は? あれ? そうだったっけ? ん? どういうこと?」
央寺くんは記憶力がいいらしい。呆れながら、関谷くんに説明を始める。
私はと言うと、その日の話が話題に上がって、しかもその前に央寺くんが私の“ヒメ”呼びを止めてくれて、赤面が続いていた。
央寺くんへの気持ちを忘れようと、あの日のことはなるべく考えないようにしていた。けれども、あの頃の私にとっては央寺くんのことを好きになったきっかけの、嬉しい出来事だったことはたしかだ。無理やり記憶を引っ張りあげられ、その時の気持ちまで引きずり出されてしまいそうになる。
「つーか、俺さ、ひとつ気になってたことがあるんだけど。いや? 今まさに気になっていたこと自体を思い出したんだけど」
「どうでもいいよ。なんだよ?」
「ほら、夏休み前にさ、お前宛てのラブレターが隣の金町の靴箱に入ってたことがあったじゃん?」
「は? あれ? そうだったっけ? ん? どういうこと?」
央寺くんは記憶力がいいらしい。呆れながら、関谷くんに説明を始める。
私はと言うと、その日の話が話題に上がって、しかもその前に央寺くんが私の“ヒメ”呼びを止めてくれて、赤面が続いていた。
央寺くんへの気持ちを忘れようと、あの日のことはなるべく考えないようにしていた。けれども、あの頃の私にとっては央寺くんのことを好きになったきっかけの、嬉しい出来事だったことはたしかだ。無理やり記憶を引っ張りあげられ、その時の気持ちまで引きずり出されてしまいそうになる。
「つーか、俺さ、ひとつ気になってたことがあるんだけど。いや? 今まさに気になっていたこと自体を思い出したんだけど」
「どうでもいいよ。なんだよ?」
「ほら、夏休み前にさ、お前宛てのラブレターが隣の金町の靴箱に入ってたことがあったじゃん?」