私、あきらかに浮いている。そして、三人ともそんなことに気付かないほど盛り上がっている。なんとなく寂しくて、とてつもなく居心地が悪い。

「もういいだろ、関谷。ほら、出るぞ」

　そんなことを思って、一歩下がったところに突っ立ったままでいると、央寺くんがそう切り出した。

「えー、もっと話したいのに、俺」
「だから、営業妨害。それに、バスの時間もずらしてるから確認しないといけない」

　関谷くんは、「ケチー」と言いながらも明日美さんに手を振り、明日美さんもヒラヒラと手を振り返して「じゃーね」と言った。央寺くんと私は「お疲れ様です」と声をかけ、三人で店を後にした。



　バス停に着くと、もちろんいつもの便はそれぞれ通りすぎた後だった。いつもより薄暗く、屋根のある停留所の傍らの外灯も灯りはじめている。風がいつもより強くて、私はバッグの中に入れてきたパーカーをシャツの上に羽織った。