「で、さっきの話の続きだけど」
考えこんでいると央寺くんに急に話しかけられ、私は思わず、
「わっ」
と声を上げてしまった。
てっきり、何も言わないことに愛想を尽かされて話が終わっていたのかと思っていた。いつも私はそうだから。
「俺に緊張してるの? この人前に立つ仕事に緊張してるの? どっち?」
レジを開け、少なくなってきた十円を補充しながら聞いてくる央寺くん。
無表情が怒っているような顔に見える彼にビクビクしながら、私は、
「…………ど、どっちも」
と答えてしまった。
嘘ではなかったけれど、言ってしまってから、この返答では間違っていたと後悔する。
「緊張するのもわかるけど、挨拶だけはしっかりお願い。お客さん相手なら絶対に、そんで、できればバイト仲間にも」
そこで初めて気付いた。央寺くんに、挨拶すらしていないことに。
「よ……よろしく……お願いします」
「よろしく」
考えこんでいると央寺くんに急に話しかけられ、私は思わず、
「わっ」
と声を上げてしまった。
てっきり、何も言わないことに愛想を尽かされて話が終わっていたのかと思っていた。いつも私はそうだから。
「俺に緊張してるの? この人前に立つ仕事に緊張してるの? どっち?」
レジを開け、少なくなってきた十円を補充しながら聞いてくる央寺くん。
無表情が怒っているような顔に見える彼にビクビクしながら、私は、
「…………ど、どっちも」
と答えてしまった。
嘘ではなかったけれど、言ってしまってから、この返答では間違っていたと後悔する。
「緊張するのもわかるけど、挨拶だけはしっかりお願い。お客さん相手なら絶対に、そんで、できればバイト仲間にも」
そこで初めて気付いた。央寺くんに、挨拶すらしていないことに。
「よ……よろしく……お願いします」
「よろしく」