「えぇー、尚ちゃん的には？」
「ああいう男は、私とは合わない。常にケンカになりそう」
　
ああいう男って……尚美は相良くんのなにを知っていてそう言うのだろうか。
ピアノをたどたどしく弾いていた彼を思い出して、私は吹き出しそうになるのを抑える。

「理穂ちゃんは？」
「え？」
　
話がこちらへ回ってきて、後ろを歩いていた私は頓狂な声をあげた。

「相良くん、タイプ？」
「いや……うーん、よくわからないから判断しようがない」