「相良くんは?」
「言うかよ」
「人に聞いといて自分は言わないなんて卑怯だ」
「上位者にプライバシーなんてないだろ。貼り出されるし」
「うちは貼り出されないよ」
「そうなの?」
 
へぇ、と言いながら、相良くんは両手を後頭部で交差して、またごろりと寝返って天井を見る。

「成績優秀で、副委員長で、ピアノができて……か」
「なによ?」
「優等生って感じだな、と思って」
「それ、褒め言葉?」
「そう取りたいなら、それで」
「…………」

いちいち癪に障る言い方をする人だ。

見た目もやんちゃっぽいし、失礼ながら成績もあまり良さそうに見えないし、間違いなく嫌味なのだろう。