「すごい表面的だね」
 
だから、思いもよらなかった言葉を投げかけられて、体が固まってしまった。
 
だれが? なにが? 

体ごと横に向けて振り返ると、相良くんがバッグに乗せた頭をゴロンとさせてこちらを見た。

「ピアノ」
「え?」
「あ、そういやさ、休み時間に一緒に歩いてた男、ウサギの彼氏?」
「はっ?」
 
ツッコミどころが複数あって、私はまずなにを言うべきか戸惑う。

けれども、
「なんつーか、真面目硬派イケメンって感じだったね」
と、どんどん続けられていく。

「ちょっと待って。ウサギって……」
「ウサギも宇崎も一緒でしょ。今日もいい感じの尻尾だし」