「園宮くん、1位?」
廊下に出ると、横に並びながらボソッと聞いてみた。
「……まぁ」
「やっぱりね」
「それ聞くためにか」
「ハハ」
私は、それもあるけれど、と心の中で呟く。
こういうふうに自然に並んで歩ける機会を逃したくなかったとは、当然言えない。
「宇崎さんが2位でしょ?」
「まぁ」
「やっぱり」
そんなやりとりをしていると、悔しさよりも嬉しさのほうが勝った。
2年になってからは、ほぼ私か園宮くんが1位か2位だから、勝ち負けにこだわっているふりができる。
そのおかげで、こんなふうに対等に話すことができるから、1位でも2位でもどちらでもよかった。