私が説明すると、3人とも「詳しいね」とハモった。

なんとなくマズイと思った私は、
「3組の子から聞いた」
と平然を装って誤魔化す。

先週の月曜から、習い事のなかった日は旧音楽室で彼に会っていた。
というか、空間を共にしただけ、と言ったほうが正しいかもしれない。

最初の自己紹介以降は大した話はしていないし、私はピアノを弾き、相良くんはただソファーを我が物顔で使ってスマホを触っていただけだった。

「宇崎さん、女子の提出プリント集まった?」
 
ふいにかけられた声に振り返ると、園宮くんが教室の後ろの方から歩いてきた。