「わぁー、理穂ちゃん、やっぱりすごいね。学年2位って」
「こら、美月。勝手に見ないでよ」
「見たんじゃないよ。見えたの」
 
実力考査の個人の順位表をそれぞれ受け取ると、その後の休み時間に私の斜め後ろから美月が顔を出した。

拳でコツリと軽く頭を小突くと、美月は、
「いいじゃん。私なんてかろうじて二桁なんだよ?」
と私の机にうなだれる。

ふくれっ面の上目遣いで私を見る美月は、つけ睫毛をしているのがわかった。
ぱっちりな目が一層大きく潤んで見えて、キラキラしている。

彩佳と尚美も来て、
「美月、声大きい」
と笑った。