私の心と体の表面も私には違いないし、褒められたり認められたり評価を得たりしたいのも間違いなく私だった。
 
でも、優先順位をそれらで埋めていたことに気付いたのは、

『すごい表面的だね』
 
相良くんのそのひと言があったからなのかもしれない。
 
たぶん、これからも失敗や挫折は大小ゴロゴロと落ちていて、その都度それに躓いて転んだり、立ち止まったり、泣いたり、強がったり、時には見て見ぬふりをして逃げてしまうこともあるんだろう。
 
でも、そのたびに、私は改めて自分を鏡で見ることになる。
いやでも向き合わざるを得なくなるんだ、表面の皮を剥いだ、自分の内側に。

そして、本当の自分に立ち返り、気付くのだろう。
 
包装や装飾だらけの箱の中身の、意外とささやかであっけらかんとした、そのシンプルさに。
なんだ、自分て、こんなだったんだっていう、本来の輪郭に。