「明日、実力考査があるね」
廊下を職員室まで歩きながら、園宮くんに話しかけると、
「そうだね」
と短い返答。
「今回はどっちが勝つかな」
「宇崎さんじゃない?」
「1学期の期末考査は園宮くんだったでしょ」
「実力系はいつも宇崎さんに負けてる」
園宮くんはちらりと私を見下ろして、また前を向いた。無表情で無口で他の女子とはまったくと言っていいほど喋らない園宮くんも、こういうテストの話にはのってきてくれる。
委員長と副委員長という間柄だからということもあるけれど、文武両道で高身長で隠れファンが多い彼とこうして話ができるのは、ちょっと優越感がある。
「ありがとうな、ふたりとも。よろしく」
担任の先生は白髪が目立ち始めた、おじさんと言うよりもおじいちゃんに足を突っ込んでいるような先生で、社会科の松野(まつの)先生という。
職員室に着き、ホームルームで配布するプリント類や冊子をその先生から受け取った私たちは、一礼してドアのほうへと足を向ける。
廊下を職員室まで歩きながら、園宮くんに話しかけると、
「そうだね」
と短い返答。
「今回はどっちが勝つかな」
「宇崎さんじゃない?」
「1学期の期末考査は園宮くんだったでしょ」
「実力系はいつも宇崎さんに負けてる」
園宮くんはちらりと私を見下ろして、また前を向いた。無表情で無口で他の女子とはまったくと言っていいほど喋らない園宮くんも、こういうテストの話にはのってきてくれる。
委員長と副委員長という間柄だからということもあるけれど、文武両道で高身長で隠れファンが多い彼とこうして話ができるのは、ちょっと優越感がある。
「ありがとうな、ふたりとも。よろしく」
担任の先生は白髪が目立ち始めた、おじさんと言うよりもおじいちゃんに足を突っ込んでいるような先生で、社会科の松野(まつの)先生という。
職員室に着き、ホームルームで配布するプリント類や冊子をその先生から受け取った私たちは、一礼してドアのほうへと足を向ける。